新聞記事文庫 電気鉄道(07-139)
大阪時事新報 1936.2.28(昭和11)


南進地下鉄完成で出現する大阪の新宿街

省線、各郊外電車との連絡

市当局の整理案成る


どかんどかんと南進し続けている地下鉄もぐら工事が来年の今ごろ省線天王寺駅南口改札所(大鉄駅横)附近にポカンと口をあけた時、そこら中の交通機関はまってましたとばかりに地下鉄に向って蝟集して来て現在でも市電アベノ橋を中心に全市屈指のこの雑沓地区がまだ倍も三倍も輪をかけられて物凄い南大阪雑沓地帯と化するであろうと想像され、市電当局では早くもこの“第二の新宿出現”に頭を悩まし過般来省線、阪和、大鉄、南海(上町線)等と統制連絡方法を協議し一方市土木部とも協力して雑沓対策を腐心中だったが、この程大体成案を得たので、近くニュウ新宿地帯図作成の上府当局と折衝を開始することになった
それによると各鉄道、軌道と地下鉄の連絡は大鉄は新設を急いでいる大鉄ビル地階からなんなく通じることが出来るが省線を挟んでの向い側になる阪和との連絡はアベノ橋を渡っては大変なので現在の省線同様省線軌道上に専属ブリッチを架け両出入口を連結する、省線も同様、一方市電と南海上町線だが、市電は現在のアベノ停留所からアベノ橋を渡って地下鉄出入口真近に停留所を移設し、南海上町線も現在の橋上線及び其周囲を切り取り、停留所は橋より南に移り一寸ばかし地下鉄出入口側に頭を振って位置どるかくして地下鉄と他の交通機関との連絡は一まずつく訳だがなおその他に今にも落っこちそうなアベノ橋は幅十五間、鉄骨コンクリートの大橋に改築されることになって居り、又省線南側の地下鉄上にはコンクリートの坦々たる道路が新設されるので、さきの統制連絡と協力して予想される新宿雑沓も余程緩和されるものと見られている但しこのややこしい交通図が完全に具現するのは大体梅田地下鉄を中心とする蝟集工作の完成と歩調を合し十二年末の予定である



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