新聞記事文庫 石油(05-102)
大阪毎日新聞 1922.6.22(大正11)


百万弗を支出してジョルジアの油田復活に腐心する労農政府

南米の石油に手を出す米国


【紐育特電二十日発】莫斯科来電に依れば労農露国は外国の資本を俟たずしてジョルジアの油田復活に腐心している、即ち露国立銀行は石油採掘に要する外国機械購入費として百万弗をジョルジア共和国の代表者に貸与したが此の事実が外国に洩れるに至った原因は先週早々ジョルジア国の為替相場は突然高値を示したからで此変動は又百万弗と云う多額の金が金貨に両替せられて国立銀行からジョルジアに与えられた所に起因している、而して露国共産党の機関紙プラウダ紙は之に関して次の如く弁明している
米国が露国に機械専門家を派遣するならば露国は五十万弗のクレヂット組織で米国への石油輸出を喜んでなすものであるが露国は米国より得た五十万弗で農具を購入する事が出来る
尚クラシン氏は米国との国際関係快復問題に関して云々しているが米国が資本主義を奉じている以上共産主義を嫌う所から米国政府も労農露国を承認する様な事は断じてすまいと思われる、而して米国は英国と同様に油田政策に熱中しているのであるが米国資本家は既に南米アルゼンチン共和国の油田に目をつけ列国に先んじて投資する者が近来俄に多くなって来た、而してアルゼンチンでは石油採掘は主として官営であるが此の官営政策は米国資本の流入以後は必ずや変更されねばならないのである右に関してジャーナル・オブ・コムマース紙は次の如く述べている
アルゼンチンでは来る十月新大統領が就任するのであるが石油官営は此時を以て変更されるものと思われる



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