新聞記事文庫 綿糸紡績業(05-058)
福岡日日新聞 1919.9.27(大正8)


紡績企業旺盛

資本額八千万円


近時紡績会社の利潤は益々増進一方なると共に紡績業者の投資力は綽々として余裕あるより自然紡績業の拡張及新規計画を促進させるが此他国際労働問題の八釜しきに連れ八時間労働を実行せんか為には遠からず本邦紡績の錘数をして百万錘の増設を要し更に五年乃至八年の後に夜業全般を為す可しとせば健在錘数の倍加即ち三百万錘の増設を必要ごし而も是に自然増加を加算せば更に其れ以上の増錘を必要とするより一層此気運を刺激せり即ち富士紡、日清紡、福島紡等の増錘計画は勿論時局中既に東京紡績金沢紡績相模紡績小田原紡績浜松紡績及び東洋モスリンの創立ありて目下何れも操業を為しつつありまた最近上毛モスリンも又綿糸紡績兼経営企業を発表し最近までに発表したる新設紡績会社計画は二十四社其公称資本金は合計八千万円以上に達せり右以外に東京府下に五百万円の□□進捗しつつある由にて紡績の熾烈斯の如きは未だ嘗て見さる所にして他面紡績輸入は依然として困難の有様にて到低所要機械の全部を両三年以内に取寄する事は不可能なり伝えらる尚お此等新会社の建設費概算は一錘営り百三十五円見当にて之を一流会社の十二三円に比するも尚五倍の上にあり傍新設会社の前途は注目の値ありさ因に前記二十四社の偕要左の如し
社名
所在地
資本金
愛知紡績
名古屋
三百万円
東京紡織
東京府下
百万円
帝国紡績
岡崎
二百万円
足利紡織
足利
五百万円
旭紡績
仙台
一千五百万円
中華紡織
名古屋
一千万円
伊勢紡績
松坂
三百万円
雨毛紡織
栃木
三百万円
日印紡織
川崎
三百万円
明治紡織
足利
三百万円
東海紡績
岡崎
三百万円
中央織物
島根
大八洲紡績
大諏
四百五十万円
南海紡績

百万円
樽井紡績
泉洲
二百万円
大津紡績
近江
四十万円
春木紡績
泉洲
二百万円
大阪紡績
堺附近
三百万円
泉洲紡績
岸和田
百万円
貝塚織物
泉洲
百万円
佐野織物
泉洲
五百万円
前川織物
泉洲
五百万円
玉置織布
泉洲
百万円
金華紡績
大阪
二百万円



データ作成:2000.5 神戸大学附属図書館