新聞記事文庫 農業(6-117)
台湾日日新報(新聞) 1935.10.11(昭和10)


社有地に小作する三五公司源成農場

輪作と早植で甲当収量高い

今期より製糖能率増進


合資会社三五公司の源成農場は昭和八、九年期に於て赤糖製造より分蜜糖製造に転換してより今期でモウ三年目となり積極的庶作の改良奨励と相俟って産糖高も逐年増加の趨勢を辿っている、同社の採集区域内面積は二千八百九十八甲で社有地は昭和九年末現在三千八十九甲余、此内田が一千六百七十五甲、畑が一千二百二十甲、原野五十六甲、山林約三甲、建物敷地五十六甲、他は池沼、道路、水路其他である、同社では此の耕地の内、水田には稲作を主として甘蔗をも奨励し畑には専ら甘蔗を奨励しているが、全部小作であって自作はない、十、十一年期の甘蔗作付面積は六百九十七甲で之を田畑別に作付面積並に甲当見込収量を示せば

[図表あり 省略]

採集区域が海岸方面に接近し季節風の被害を蒙り易いに拘わらず甲当収量が案外高く平均十四万斤以上に上る好成績を得ているのは同一耕地に甘蔗のみを連作せず稲や雑作との輪作関係がうまく行っていること及その大部分が早植と糊仔甘蔗であるからである、即ち十、十一年期の庶園を植付時期別にすると

[図表あり 省略]

更に之を品種別にすると

[図表あり 省略]

で二七二五号が大多数を占む、同区域では二七二五号が最適品種であるとされている、蓋し暴風に弾力性を持っているのと成熟早く歩留高き為であろう、今期は原料も著増し大に製糖能率を増加する必要があるので一日の圧搾能率百万斤に順応せしむべくブレエバボレーター一台を増設し尚圧濾機一台を増設してケーキ二重濾過を行うことになり更に分蜜機一台を融通し三番糖の二重分蜜を計画中である、今期の原料収穫高は最近の調査によると九千四百十万一千二百八十斤を予想され第一回予想に比し四百四十五万六千三百三十斤の減少である、従って産糖高も十一万二千九百二十二担と第一回予想より五千三百四十七担の減を見込まれている、尤も之を前期に比すると原料に於て一千五百九十七万三千斤産糖高に於て二万五百二十八担の増産である、三年間の産糖と歩留は次の通りである

[図表あり 省略]

尚今期製糖は明年一月十日より開始し四月三十日終了の予定で前期に比し原料増収にも拘らず製糖能率増進の為め格別製糖期間を延長しないで有利な操業が出来る模様である


データ作成:2004.3 神戸大学附属図書館