新聞記事文庫 米(26-103)
神戸又新日報 1923.3.25(大正12)


米買付時期繰上

今後は旧暦正月前に着手

農商務省々議で決定


米穀法の運用に依る農商務省食糧局の内米買付は従来二月初旬発表の全国産米実収高に基いて之を行う事となって居る為め兎角買付の機会を逸し啻に米穀需給の調節又は米価緩和の目的を達し得ないばかりでなく政府が愈よ買付に着手する際には一般農民就中小自作農小作農等は既に其所有米の大部分を売尽して居る事とて政府の買付に依って直接間接の利益を受けるものは少数の大地主階級若しくは米商に止まる結果となり従って買付期日の失当を難ずる声は今や次第に昂まって来て居るので農商務省に於ては此点に留意し農家の経済事情産米出廻り状況第二回米需給予想高と実収高との関係につき種々研究せるが第二回収穫予想高は毎年の例に徴するも実収高と大差なきのみならず実収高と見作して買付くるも甚だしく事実に背反せざるのみならず却って買付の好機を得て米穀需給調節米価緩和の目的を達し小農小作農の経済を緩和救済し得る事を認めたから農商務省は過般の省議で本年以後米穀に余剰を生じ買付の必要ある場合には実収高の発表を俟たずして第二回米収穫予想高に基き買付方針を定め成るべく新米出廻りの期殊に農家が最も資金を要する旧正月前に於て買付に着手する事に決定したと云う(東京電話)


データ作成:2005.5 神戸大学附属図書館