新聞記事文庫 政治(612-124)
満州日日新聞 1937.11.19(昭和12)


奉天省に迎える歴史的飛躍の日

輝かしい"十二月一日"


満洲国第二の建国ともいうべき治外法権撤廃並に満鉄附属地行政権の調整移譲は日満両国政府当局折衝の結果、去る十一月五日新京において条約の調印を了し、十二月一日を期して全面的に実施の運びとなった、これより先附属地行政権調整移譲関係全規模の九割を占める奉天省では省当局を中心に中央の方針に基き着々広汎に亘る諸準備を進めていたが、関係者不眠不休の努力は酬いられて十一月上旬全般の準備完了を告げたので十七、八両日満鉄沿線十二県参事官並に地方事務所長、派出所主任現地各準備会籌備事務官等全関係者を召集、内務局治廃関係省次長会議(十四、五両日)で最後的決定を見た省内附属地関係事項を指示し、次いで十九、二十両日の参事官会議には附属地関係以外の事項を指示し、ここに奉天省における治廃、附属地行政権移譲の全貌が明示された、省当局では引続ぎ二十一日は人事取扱事務二十二、三両日は経理取扱事務二十四日は文書取扱事務に関する各関係担当者の打合会を了した上、二十五日引継書作成を完了、かくて建国史上に特筆すべき歴史的飛躍の日を迎え、輝かしい"十二月一日"この日早朝□□市、街公署では厳かな開庁式が揚げられ引続き引綴調印を了した後、午後は各地で協和会主催の慶祝大会、夜は市県主催の祝賀宴が、それぞれ盛大に行われる予定である

附属地の接収形態

満鉄附属地の接収形態、即ち市、街、村の指定は左の如し

一、市 △奉天附属地は奉天市に編入す△撫順、鞍山、営口、遼陽、四平街、鉄嶺の各附属地は、それぞれ当該接続市街地と合して市を設定す
二、街 開原、本渓湖、大石橋、瓦房店、海城、蓋平、熊岳城、蘇家屯、橋頭、郭家店の各附属地はそれぞれ当該接属県の区域に編入し当該接続市街と合して街を設定す
三、村 以上の他の各附属地はそれぞれ当該接続県の区域に編入し当該隣接村に吸収せしめ村を設定す、村に吸収すべき附属地は復県六、蓋平県五、海城県六、遼陽県五、藩陽県一二、鉄嶺県四、開原県二、昌図県六、梨樹県三、本渓県七、計五十六で、これ等は可及的に附属地名(駅名)をもってこれが村名となすべく村名を改正する

新市街村制施行と暫行街村制の関係

満鉄附属地の接収形態たる市街村□は行政権移譲実施の日、即ち十二月一日に公布され奉天省では即日これを施行すべく既に諸般の準備を完了したが、新街村の設置と奉天暫行街村制準則および暫行保甲法との関係は次の如き方針によって処理される

一、暫行街村制準則に関する諸規程は十二月一日以後これを廃し財産、営造物および権利、義務はこれを継承する
一、保甲法との関係は、新村村制によれば、その施行の区域においては暫行保甲法は、これを適用せざる方針で、従ってその組織および保甲自衛団も当然形式的には廃止さるべきであるが、保甲の精神は街村の中に益々育成すべきで保甲の職能も一応街村に吸収すべきものである、連座と自衛団に関しては中央において研究中で、近日方針決定の予定

市制の施行

改正市制の主なる点は
 (一)市長の事務として市民の緊急危害に対する防禦事務(二)市を数区に分ち、これに区長を置き市長の補助機関たらしむ(三)市県組合の規定(四)市の区域には暫行保甲法を適用せざること等である
諮議会に関しては
 現市制の規定に殆んど同様で、諮議会の成立しないときは市長は省長の認可を得て、其諮問すべき事件を処分することを得る
奉天市における区制と町会等との関係調整

一、奉天市は処務便宜のためその区域を藩陽区、大和区、鉄西区大東区、渾河区、永信区、于洪区、皇姑区、北陵区、瀋海区、東陵区に分ち行政補助機関として各区に区長一名を置く
二、従来の区並に町会と新区制との関係調整に関しては奉天治廃連絡委員会において立案審議を続けているが、大体新制の区を数個の分区に分ち町会及び保甲の機能をこれに吸収する方針である、治廃後日本側に保留する神社、教育、戸籍、兵事に関する行政の執行に必要な補助機関は別に定むるところによる

公布の日から新制施行は奉天省のみ

十二月一日に県制、県官制、施行規則市制、市官制市制、施行規則街制、村制、街村制施行規則並に指定街に関する勅令、地方税に関する勅令等が公布されるので、奉天省では昨年六月から施行して来た街村制準則を廃止するが、新制公布の日から施行し得るのは奉天省のみで他の省は来年になる見込みである、これは奉天省内に満鉄附属地が多く地方行政が他の省に比し遥かに高度で、更に街村制準則により組織づけて訓育されたためである、この奉天省暫行街村制の特徴、即ち日本の市町村と違う点は村吏員の任命、市決算の監督会計、監督を県が行い、町村会の如き議決機関なく官治的色彩の濃厚な点である、当局が街村育成に当って最も苦心した点は組織化すること、予決算の知識をもたせること、予算外徴収の取締り等であるが、これも各県参事官の努力により非常に改善された、新街村制と暫行街村制は大綱的には殆ど同じであるが

一、街村長事務として街村住民の緊急不慮の危害に対して防禦事務をもつ
二、これと関連して暫行保甲法を街村施行区域に適用せぬ
三、行政区を認めた
四、街においては区牌、村は屯牌に分つ
五、街村組合が始めて規定せられた

等の点が異っている

新設七市十街の機構と定員

奉天市並に新設六市十街の機構と定員は左の如し(属官技士は略す)

一、奉天市

市長満(簡任)副市長日(簡任)
官房△庶務科(長理事官日、事務官日一満一)△調査料(長理事官満)△会計科(長理事官暫く日、事務官日一)
行政処 処長理事官満(簡任)△行政科(長理事官日、事務官満一)△教育科(長理事官満、事務官日一、視学官満一)△保健衛生科(長理事官暫く日、技佐日一)
実業処 処長理事官満(薦任)△勧業科(長理事官日、事務官満一)△管理科(長理事官満、事務官日一)
財務処 処長理事官日(簡任)△税務科(長理事官暫く日、事務官日一)△管財科(長理事官満、事務官日一)△主計科(長理事官日、事務官日一、満一)
工務処 処長技正日(簡任)△庶務科(長理事官満、事務官日一)△水道科(長技正日、事務官満一、技佐満一)△土木科(長技正日、技佐日一)△建築科(長技正満、技佐日一)以上で簡任官日三満二、薦任官日二一、満一三、委任官日四六、満四三、計一二八

二、撫順市

市長日(簡任)副市長満(薦任)△庶務科(長事務官日、事務官日一)△行政科(長事務官満、事務官日一)△保健衛生科(長技佐日)△財務科(長事務官日)△工務科(長技佐日)以上簡任官日一、薦任官日六、満二

三、営口市

市長満(薦任)副市長日(薦任)△庶務科(長事務官日)△行政科(長事務官満、事務官日一)△実業科(長事務官満、事務官日一)△保健衛生科(長技佐日)△財政科(長事務官日)△工務科(長技佐日)以上薦任官日七、満三、委任官日一四、満一〇

四、鞍山市

市長日(簡任)副市長満(薦任)△庶務科(長事務官日、事務官日一)△行政科(長事務官満、事務官日一)△保健衛生科(長技佐日)△財務科(長事務官日)△工務科(長技佐日)以上簡任官日一、薦任官日六、満二、委任官日一三、満七

五、遼陽市

市長満(薦任)副市長日(薦任)△庶務科(長事務官日)△行政科(長事務官満、事務官日一)△保健衛生科(長技佐満)△財務科(長事務官日)△工務科(長技佐日)以上薦任官日五、満三、委任官日一〇、満八

六、四平街市

市長日(薦任)副市長満(薦任)△庶務科(長事務官日)△行政科(長事務官満、事務官日一)△保健衛生科(長技佐日)△財務科(長事務官日)△工務科(長技佐日)以上薦任官日六、満二、委任官日一一、満八

七、鉄嶺市

市長満(薦任)副市長日(薦任)△庶務科(長事務官日)△行政科(長事務官満、事務官日一、技佐日一)△財務科(長事務官日)△保健衛生科(長技佐満)以上薦任官日五、満三、委任官日九、満八

八、新設十街の機構

いずれも街長、副街長の下に庶務課、行政課、財務課の三課制に一定され、開原、本渓湖、大石橋、瓦房店の四街は街長薦任日、副街長薦任満、海街は街長薦任満、副街長薦任日、蓋平街は街長薦任満、副街長属官日、蘇家屯街は街長薦任日、副街長属官満、熊岳城街は街長薦任満

現場機関を整備 成るべく少数に止める

新設市街における現存の現場機関並に新設を予想される現場機関(納税分所、水道料金徴収所、弁事処、土木工詰所、諸届受付所、新設市街に引継ぐべき現在の街公署村公所等)の整備に関しては新設市街公所に引継収容するを原則とし現場機関はなるべく少数に止める方針の下に大要左の如き具体案が決定された

奉天市

一、納税分所 旧市域(農業地区を除く)における現在の西関、東関、南関、北関、南市場、攪軍屯の各納税分所はそのまま存置す
二、弁事処 農業地区に対し同地区の第一、二、三、四、五、六区の各区に弁事処を設置すると共に現附属地にも弁事処一ヶ所を設置する、現附属地に新設の弁事処は現地方事務所を明年六月末迄無償貸与方交渉の予定

撫順市

一、弁事処 新設市に編入さるべき撫順県の一街四村をその戸数人口、距離等を参酌し住民の便益を考慮して搭連区(搭連咀子に設け新屯苗圃以東を管轄)新撫順区(新撫順に設け新撫順、千金寨、大官屯武老村を管轄)望化区(大瓢屯に設け古城子河以西を管轄)の三ヶ所に弁事処を設置する

営口市

一、弁事処 東白□子、幹家学房候家油房の三村公所は市の弁事処として存置す
二、納税分所 現在の河北及び牛家屯納税分所をそのまま存置す

鞍山市

一、納税分所 市の地理的乃至経済的理由により鉄道西側の現附属地及立山屯の二ヶ所に設置す
二、諸届受付所 納税分所に併置し同所員に兼務せしめる 

遼陽市

一、納税分所 広大なる満人街及び附近一円の村落地帯の住民の生活及び地理的関係を考慮し現街公署に設置す
二、水道料金徴収所 納税分所に併置す
三、土木工詰所 現附属地土木工詰所はこれを廃し変電所の建物を買収して是に充当すると共に納税分所内に一ヶ所を併置する

四平街市

一、土木工詰所 現在の満鉄土木工詰所は引継後も適当な建物あるまで現状のまま満鉄から継続借用し存置す

鉄嶺市

一、納税分所 現在中央大街にある街公署納税分所を存置しこれに充当す
二、水道料金徴収所 納税分所に併置す
三、土木工詰所 現満鉄土木工詰所を引継後もそのまま存置す

本渓湖市

一、納税分所 新設街地域の拡大と地形並に点在部落住民の便宜を計り且徴税の円滑を期するため大堡、小孤山子、彩家屯の三ヶ所に設置す
二、諸届受付所 納税分所に併置し同所員に兼務せしめる

開原市

 土木工詰所 現満鉄土木工詰所を当分現状のまま借用存置す

大石橋市

 土木工詰所 現満鉄土木工詰所をそのまま存置す
 △瓦房店、海城、蓋平、熊岳城蘇家屯、橋頭、郭家店各街は無し

諸許可願、届 証明の調整 警察庁で直接受理

一、営業許可及諸事願届 附属地においては従来地方事務所を経由して警察署に提出せしめていたが、治廃後においては直接警察庁(指定街では警察署)において願書の受理を行い警察庁はその許可処分の結果を課税徴収関係資料として市公署(又は街公署)に通知取計うものとす
二、建築許可願 附属地において従来地方事務所に提出せしめたが治廃後は都市計画施行上の関係等もあり市公署(又は街公署)において願書の受理を行うものとす(警察許可営業関係は市街公署を通じて警察庁署に提出)
三、道路使用願 従来は地方事務所を経由して警察署に提出せしめたが治廃後は旧附属地内においても地方事務所に代って市街公署が道路管理庁となるため道路の一時使用願、占有使用願共に市街公署を経由警察庁、署に於て願書の受理を行うものとす
四、居住届、転退届、出生届、死亡届 附属地内においては属地的に日鮮満人全部の諸届は従来地方事務所、警察署に各一部を受理したが、治廃後においては従来の附属地に対し現行満洲国の居住届出及警察戸口調査の徹底により戸口動態の正確を期し得るので、市街公署においても何等課税上の不便を感ずることなく従って別に市街公署に対し右諸届を提出せしめることなし
五、その他 前項以外の事項(建築、現存証明等)については慣例に従って治廃後においても市街公署又は警察庁においてこれをなす
六、日本人に対する戸籍、兵役関係事務 治廃後における在満日本人の戸籍、兵役関係事務に関しては駐満大使の委嘱を受け嘱託たる名義をもって満洲国警察官吏をして日本帝国領事の指揮の下にその事務を援助処理せしめるので、戸籍、兵役に関する届は駐満大使嘱託の満洲国警察官所在の警察庁署においてこれが受理を行うものとす

奉天省警務庁 警察庁の機構

治廃並に附属地行政権移譲に伴う警務関係事項は中央の方針に基き省警務庁において別個の準備を進め十一月上旬完了したので十五、六両日各県主席警務指導官、附属地各警察署長を招集してその全貌を指示した、奉天省警務庁並に各警察庁の機構は左の如し

奉天省警務庁
 警務庁長(簡任)△警務科(警務、規画、経理股)△警備科(警備、清郷股)△特務科(特務、特高、外事)△保安科(保安、交通股)△刑事科(防犯、鑑識股)△衛生科(衛生、保健股)△督察官
奉天警察庁(仮称、以下同)
 庁長(簡任)副庁長(薦任)△警務科(警務、監察、経理、警備股)△特務科(特務、特高股)△外事科△保安科(保安、交通建築工場股)△司法科(司法、捜査股)△衛生科(衛生、保健股)
営口警察庁
 庁長(薦任)△警務科(警務、経理股)△特務科(特務、特高股)△司法科(司法、捜査股)△保安科(保安、交通股)△衛生科(衛生、保健股)
遼陽、四平街、鉄嶺警察庁
 庁長(薦任)△警務科(警務、経理股)△特務科(特務、特高股)△司法科(司法、捜査股)△保安科(保安、衛生股)
撫順、鞍山警察庁
 庁長(薦任)△警務科(警務、経理股)△特務科(特務、特高股)△司法科(司法、捜査股)△保安科(保安、工場股)△衛生科(衛生、保健股)

奉天警察庁管下に大和、南市場鉄西、北関、城内、大東区、北市場、皇姑屯各警察署並に消防署を置く、各警察庁、警察署の名称、位置、管轄区域は治廃と同時にそれぞれ治安部令、省令をもって公布せられる

産業関係

 附属地日本人農業団体の調整
治廃後における附属地内日本人農業団体に対しては全面的に農事合作社方針に則って統合調整をなしその発達助成を図る方針であるが調整の時期及び方法については特に既存の特殊事情と現在の発達情勢を慎重に考慮し適切な処理を講ずべく一面満鉄側と具体的に打合せをなし左の要領で進む

一、農事合作社の健実な発達に伴い逐次適当な時期において既存日本人農業団体の統合調整を図る
一、既存日本人農業団体の未だ統合に至らぬものの事業にして農事合作社事業と共通性を有し而も共同事業を有利とするものについてはその事業を現地において協調せしむ
一、特殊作物を主とし国の産業計画に直接関連を有する団体に対しては可及的速かにその組織を農事合作社に統合せしむ
一、その他小組合にして直ちに統合するも支障を来さないものについては、これが統合調整を可及的急ぐものとす

省内の現存日本人農業団体は三十四である
 朝鮮人農務楔及同連合会の調整
農務楔および同連合会は総て満洲国農業団体制度方針に則り県農事合作社および実行合作社に吸収統合せしめ、従来の特殊事情を参酌しこれが事業の指導、発達を図る方針である、奉天省内に現存する農務楔は五、同連合会は四
 営口県農会の処理
営口市政実施に伴い従前の県農会は一応これを本年十一月末までに清算し、一般行政事項移管と同様の形式で農会に関する一切の事項を関係各県及び営口市に引継ぐ
 附属地内日本人商工団体の調整

一、現在附属地側にある商工会議所、輸入組合等に関しては治外法権撤廃と同時に一応これを民間自由団体として認め関係法規の発令(商工会議所法、組合法等)の発令を待って処理する
二、附属地側の満人商務会は原則としてこれを解散せしめるものとし△市街において満洲側商会の存続せる所はこれに統合せしめ△満洲側商会の存続せざるところは行政並に調査事務については街、村に接収せしめ商工業者の民意発表は協和会分会をしてこれに当らしめることとし解散する

 日本人側民間経営市場の処理
日本人経営の市場引継に関しては治廃と同時に市場会社は満洲国法人として認められる筈であるから別途法令により処理する、市場の監督取締はそれぞれ市公署および警察庁に移管又は引継がれる、奉天省における民間市場は左の五である
 △鞍山市場△満洲市場(奉天)△撫順市場△四平街卸売市場△遼陽卸売市場

庁舎の整備

治外法権撤廃に伴い新設市街村公署(所)設置に要する市街村公署庁舎は原則として満鉄地方事務所並に同派出所を満鉄から無償貸与をうけ使用する方針であるが庁舎の新増築工事を必要とするもの
 奉天は奉天市公署で工事を実施する外、鞍山、営口、遼陽、四平街の各市瓦房店、熊岳城、蓋平、大石橋、海城、蘇家屯、開原、郭家店、本渓湖、橋頭の各街松樹、昌図、双廟子、連山関の各村の庁舎新増築工事は全部満鉄本社工事課に撫順は炭坑事務所に各その工事を依託実施中で撫順、営口、蓋平、海城(明年六月竣工予定)を欠き他は概ね既に完了して十二月一日開庁式を行うことになっている、なお村公所の新築されるもの三十一ヶ所、増改築されるもの七ヶ所で本月中には全部落成の見込である

満鉄施設の引継方針

附属地行政権移譲に伴う満鉄施設の引継方針は左の如し

一、街路 既設街路は社宅地内に存する巾員三米以内の街路を除く外最近五ヶ年以内に市街地となるべき街路予定地を引継ぎ、街路には附属物全部を含むものとする、駅前広場は総局において保管し総局所管の道路、地下道、跨線橋は全部引継ぐ立前である
二、下水道 原則として社用建物に対する部分は下水本支管より第一溜枡迄を、社外建物に対する分は本支管より最後の溜枡迄を公共下水道として引継ぐ
三、公園 左記十四ヶ処の十八公園を引継ぐ
 旭山公園(瓦房店)蟠竜山公園(大石橋)海城公園(海城)旭公園(営口)朝日山公園(鞍山)白塔公園(遼陽)千代田公園(奉天)蘇家屯公園(蘇家屯)鉄嶺公園(鉄嶺)中央公園、新公園(開原)四平街公園、南ヶ丘公園(四平街)郭家店公園(郭家店)本渓湖公園、誠忠山公園(本渓湖)東公園、西公園(撫順)
 但し公園敷地内にある神社およびその敷地は引継がず、公園内の忠魂碑、表忠碑と敷地は引継ぎ、顕彰会ある場合はこれにより管理せしめ、なき場合は満洲国において管理す、なお引継がない公園の保留理由は左の如し
 △奉天 春日公園(神社、水源地教育記念塔用地)柳町遊園(稲荷神社用地)平安広場と浪速広場は道路附属地として引継ぐ△鞍山 富士町三丁目(水泳プール、テニスコート用地)同四丁目、五丁目(満鉄社宅用地)駅前広場(鉄道用地)中央広場は道路附属物として引継ぐ△大石橋公園(駅前広場なるため保留)△遼陽 駅前広場(鉄道用地)白塔公園一部(小学校拡張用地)△開原 西公園(社宅用地)△撫順 南公園(神社用地)
四、堤防、護岸、橋梁、開渠
△堤防は瓦房店、海城、遼陽、蘇家屯、奉天、鉄嶺、本渓湖、撫順、蓋平の九ヶ処を引継ぐ
△護岸は瓦房店、熊岳城、営口、鞍山、遼陽、昌図、四平街、本渓湖、連山関、鄭家堡の十ヶ処を引継ぐ、熊岳城河水浴場の護岸は温泉公園に属するので満鉄に保留
△橋梁は左の十五ヶ処四十八橋梁を引継ぐ
 瓦房店(五)蓋平(二)大石橋(四)営口(二)分水(一)鞍山(六)遼陽(六)奉天(三)新台子(一)鉄嶺(一)開原(三)四平街(一)公主嶺(七)本渓湖(五)連山関(一)
△開渠の用地は設定困難につき引継範囲決定せず
五、水道 瓦房店、大石橋、鞍山、遼陽、蘇家屯、奉天、鉄嶺、開原、四平街、本渓湖の十ヶ都邑は水源池系統鉄道給水用本管を除き一般市街給水施設全部を引継ぎ、水道施設の引継範囲とこれが経営および満鉄に保留する各地給水施設に関しては別の契約、覚書において細部協定をなした
六、公共井戸 不良財産と看做すものを除き二十八ヶ所、五十二全部を引継ぐ
七、児童遊園 一般市街地内にあるものは全部引継ぎ、社宅区域内にあるものは引継がず、但し奉天葵町、若松町のものは引継ぐ、営口一、鞍山五、奉天十、鉄嶺一、撫順二、本渓湖一
八、墓地 省内各地十六ヶ処三十三箇全部を引継ぐ
九、火葬場 省内二十二ヶ処を全部引継ぐ
一〇、葬祭場、省内十二ヶ処全部を引継ぐ
一一、消防所 △消防隊営口、鞍山遼陽、奉天、開原、四平街、撫順の七ヶ処全部を引継ぐ△消防組瓦房店、熊岳城、大石橋、海城、蘇家屯、鉄嶺、郭家店、本渓湖、橋頭の九ヶ処全部を引継ぐ△駆付消防松樹、蓋平、撫順立山、新城子、新台子、昌図、双廟子、南攻、連山関の十ヶ所を引継ぐ△消防手被服は本人に交付するよう手続中
一二、陸上競技場 営口、鞍山、奉天、開原、四平街の五ヶ所を引継ぐ、瓦房店は鉄道構内拡張地なるため無償貸与とし、撫順運動場は引継がず
一三、水泳プール 瓦房店、大石橋、営口、遼陽、奉天、鉄嶺、開原、四平街、撫順の九ヶ所全部を引継ぐ、撫順の四面中二面は体協所有なる故引継がず(その敷地は引継ぐ)鞍山の製鋼所持有(新設)の分は引継がぬが一般市民に開放す
一四、公園内の大弓場、テニスコート施設、敷地共引継ぐ
一五、公会所及び市民倶楽部、大石橋、撫順、本渓湖の三公会所海城の市民倶楽部を引継ぐ
一六、職業紹介所及び簡易宿泊所奉天一ヶ所を引継ぐ
一七、報時施設 省内十七ヶ所全部を引継ぐ
一八、共同園芸場 奉天一ヶ処の職員のみ引継ぎ施設、敷地なし
一九、街灯全部を引継ぐ
二〇、初等学校 △公学校は瓦房店松樹、熊岳城、蓋平、四平街、奉天、開原、撫順の八校全部を引継ぐ、蓋平公学校は従来通り青年学校に使用せしめる、奉天公学校は建物のみ、敷地は南満中学堂の用地なる故引継がない△満人補助学校は海城東語学倉(建物、敷地)鞍山公学校(同上)遼陽日語学校(同上)奉天同文商業学校(敷地一部分)昌図公学校(建物、敷地)鉄嶺日語学校等を原則として引継ぐ△半島人補助学校は大石橋、遼陽蘇家屯各普通学校を引継ぐ
二一、図書館 本館のみ(十ヶ処)を引継ぎ派出所にある分館は社員図書館となるをもって引継がず、瓦房店、大石橋、遼陽、奉天八幡町、本渓湖、撫順は建物土地共に引継ぐ
二二、医院 奉天、撫順、鞍山の婦人医院と奉天、撫順の共立医院全部を引継ぐ
二三、公医 安奉線に存する分を除き全部引継ぐ(熊岳城、海城は建物、築地共、昌図は事務所建物の一部)
二四、屠宰場 奉天、瓦房店、松樹、熊岳城、鞍山、遼陽、本渓湖、撫順の八ヶ所を引継ぐ
二五、衛生所 △衛生倉庫は十ヶ所全部引継ぐ△消毒所は四ヶ処全部引継ぐ△隔離所は四ヶ処全部引継ぐ△保健所は五ヶ処全部引継ぐ△共同便所は大石橋、開原の二ヶ処のみ引継ぐ△屎尿処分所は六ヶ処全部を引継ぐ△苦力収容所は奉天、撫順、本渓湖の三ヶ処全部を引継ぐ△衛生隊は奉天を引継ぐ△健康相談所は奉天を引継ぐ
二六、雑施設 各地のスチームローラー格納庫、ローラー小屋、鍛冶工場、土木詰所、乳剤製造工場、水道工詰所、材料置場等の小施設は大体鉄道用地内にあり建物のみ引継ぐ
二七、地方事務所 当該市街村公所として利用する場合は無償貸与とす△地方事務所七ヶ所鞍山四平街、鉄嶺、開原、本渓湖、大石橋、瓦房店(奉天、営口は使用せず)△地方事務所派出所七ヶ所熊岳城、蘇家屯、橋頭(街公所として使用)昌図、双廟子松樹、連山関(村公所として使用)この外蓋平、海城、郭家店の派出所は新設不動産会社の所管となる予定
二八、地方部以外の部所管に属するもの 各地にある小家屋の如きは満洲国において新設せられる迄使用すること

なお行政権移譲に伴う引継施設その他に関し満鉄と満洲国に相互関連を有するものは別に定むる覚書の趣旨により処理せられる


データ作成:2011.5 神戸大学附属図書館