兵庫県南部地震記録紙 1995年1月17日午前5時46分 M7.2−この経験を今後に生かすために−
社団法人兵庫県放射線技師会 平成7年1月


兵庫県南部地震記録誌発刊にあたり

(社)兵庫県放射線技師会

会 長  川戸 隆夫

 平成7年1月17日、午前5時46分。兵庫県南部を襲った大地震は、多数の尊い命と、多くの家屋や財産、また貴重な文化を一瞬の間に奪ってしまい、この日は私たちにとって、決して忘れることの出来ない日となってしまいました。

 被災地では、情報、交通機関、ライフライン等々大都会の近代文化の全てが途絶しましたが、皆それぞれが一所懸命考え、その上で様々な行動が取られております。
 職場においても、普段は当然と思えることがことごとく否定され、高度に進化した機器ほど復旧に手間取るという状態でした。そうした環境下で私たちは、殺到する重症救急患者への対応に苦慮し、災害医療の厳しさと重要性を実感として味わいました。

 個々の対応が遅れ勝ちになる中では、組織的行動は後回しにならざるを得ず、その結果、数々の出来事に何一つ充分な対応が採れなかった事は残念です。しかし、大変な事態に直面したにも関わらず、会員がそれぞれの環境下で精一杯頑張り、当面の医療活動を支えることが出来たことを誇りに思っております。

 (社)兵庫県放射線技師会では、この度の様々な経験を単なる経験談に終わらせないために、全会員の協力を得て、被災施設の詳細な実態調査に着手する事にしました。
 被災地で被災者としての経験をまとめるためには苦労が付きまといましたが、医療職として、また大型装置を取り扱う専門職として、震災の被害実態調査は不可欠という使命感で望んでおります。
 そして、この資料を大震災に対する防護の参考資料として利用していただき、今後の地震対策の指針つくりに少しでも役立てば幸いと考えます。

 終わりにあたり、今回の大震災に対して関係各方面から温かい励ましのお言葉や、沢山のお見舞いをいただきましたことにつきまして、改めて厚くお礼申し上げます。


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