命を支える食生活を守るために 兵庫県栄養士会 平成9年5月 p1


は じ め に

 阪神・淡路大震災から、早や2年4か月がたちました。交通機関や道路・ビルなどの建築物は復興し、震災時のあとは急速に消えつつあります。しかし、被災した人々の生活はなかなか回復していないのが現状です。特に高齢者の一人暮らしでは、今後の生活設計を考え自立することは、非常に困難です。
 私たち栄養士会では、長期的な支援活動を続けていますが、根本的な解決にはなりません。一日も早く全ての被災者が元の生活環境にもどれることを祈っています。
 この報告書を作成しはじめて、一年が経ちました。栄養士会では、災害時の食対応なども考えつつ、震災当初の初期対応や中期・長期対応の記録を、できるだけ多くの会員からいただくことにしました。
 全ての災害には、『食料』と『水』の補給が困難になります。栄養士の職場の多くは、給食施設で多人数に食事を提供していますが、ライフラインの断絶・交通機関のマヒや寸断で、食料や水が入手できませんでした。一回一回の食事を提供するためには、言葉で言い表せない程の苦労を重ねました。このことを教訓として、今後どうすればよいか長期展望の見地から体験した者たちがまとめました。
 初期・中期・長期の食対応について、施設での管理、支援体制などの具体的な方法も検討しました。
 そして、災害時には、支援のネットワークが不可欠な要素であることを痛感しました。これは、民間の組織だけではできません。行政の支援が必要です。平成9、10年度で行政の施策として、ネットワークづくりに取り組むことが出来るようになりました。このネットワークづくりに取り組んでいる一例も加えています。
 また、栄養士会の会員が非常に努力して取り組んだことは、被災者への炊き出し支援でした。会員約1,800人のほとんどが、ボランティア活動に参加しました。会員の皆さんありがとうございました。
 こうした体験を加えながらまとめた記録が、災害時の食対応の参考になれは幸甚です。欲張りすぎて報告書が大変遅くなりました。
 最後になりましたが、私たちにご支援、ご援助くださった全国の栄養士会や関係団体の皆様に感謝申し上げます。

平成9年5月

(社)兵庫県栄養士会会長 仙賀 鈴江


(c)1997兵庫県栄養士会(デジタル化:神戸大学附属図書館)