は し が き

 未曾有の大災害となった阪神・淡路大震災から早1年以上が経過した。

 震災直後から、全国、そして海外の商工会議所や団体、企業から数えきれないほどのお見

舞いをいただいたことを、この場をお借りして心より御礼申し上げたい。貴重な水を送って

いただいたり、被災者の相談に対応するために指導員を派遣していただいたり、職員の通勤

に自転車を頂戴したり、どれほどありがたかったかは言葉では言い表せない。

 振り返れば、神戸を何とか1日も早く立ち直らせようと無我夢中で走った1年であった。

凍てつく寒さの中、資金や事務所再建を何とか工面したいと相談に来られる方は後を絶たな

かった。神戸市、兵庫県も地元行政として不眠不休で復旧に当たっていたが、震災の被害は

あまりに甚大で、何としても政府の大々的な支援が必要であった。被災地がどのような状態

で、何を必要としているかを伝えるために、幾度となく上京し、総理大臣をはじめ関係閣僚

に支援をお願いした。

 復旧が進むにつれて、震災の報道も徐々に少なくなったが、被災地は人口の減少、観光客

の減少、道路渋滞など依然多くの問題を抱えている。復興という意味では、まだまだこれか

らである。昨年末、神戸では、光の彫刻と称される「神戸ルミナリエ」を開催し、254万人

もの人が来場し、好評を博した。神戸商工会議所では、人々に神戸に戻ってもらうために、

また、神戸を訪れてもらうために、こうしたイベントやキャンペーンを通じて神戸の復興を

アピールしていくつもりである。そして、元気を失わずに復興に向けて取り組んでいくこと

が、支援をして下さった皆さんへの心ばかりのお返しになるのではないかと思う。

 時間の経過とともに、震災の記憶は薄れつつあるが、被災地の商工会議所として、どのよ

うな対応をしてきたかを記録に留めるべきであると考え、震災から1年を節目に本書を作成

した。災害時の緊急対応について、些かでもご参考になれば幸いである。

 平成8年5月

                           神戸商工会議所会頭

                                 牧   冬 彦

                 目  次

I. 震災直後の会議所

II. 意見・要望活動

 1. 震災に関連した牧会頭の動き

 2. 各種緊急要望の提出

 3. 政府関係者等との懇談会

 4. その他の会議への参加

 5. 部会の開催と地元意見の集約

III. 被災企業の復興支援

 1. 兵庫県南部地震中小企業総合相談所の開設

 2. 事業用建物の被害に対する支援

 3. 商業への支援

 4. 雇用対策の実施

 5. 産業復興支援センターの設置

 6. 災害復旧融資の申込・斡旋状況

 7. 中小企業振興月間と地区別産業復興会議の開催

IV. イベント・キャンペーンの実施等による復興PR活動

 1. 「WE LOVE KOBE」キャンペーンの展開

 2. 神戸メッセ'95の開催

 3. 商工業者総決起 ――産業復興神戸大集会――― の開催

 4. Buy KOBE運動の展開

 5. 神戸港復興ポートセールスの実施

 6. 海外へ神戸の復興をPR

 7. 神戸への来訪の呼びかけ

 8. グルメディアKOBE'95の開催

 9. 国際港都・神戸復興展 ――― ハイカラ博 ――― の開催

10. 第7回神戸ファッションフェスティバルの開催

11. 神戸ルミナリエの開催

12. 広報

V. 神戸経済の復興へ向けた中・長期的な取り組み

 1. 神戸経済復興対策特別委員会の設置と「新・神戸経済創成プラン」の策定

 2. 産業復興会議の発足と「産業復興計画」の策定

 3. 阪神・淡路大震災復興推進協議会の設立

 4. 財団法人阪神・淡路産業復興推進機構の設立

 5. みどり銀行の設立支援

 6. 都心ピル再建懇話会の設置

 7. KIMEC構想推進懇談会の設置

VI. 各地からの支援

 1. 緊急相談と各地商工会議所からの応援職員の派遣

 2. 義援金・見舞金等について

VII. 会議所の被災状況と本所業務の対応状況

 1. 会員の被災状況

 2. 会議所会館の被災状況

 3. 支部活動拠点の復旧

 4. 共済制度

 5. 検定試験(認定試験含む)及び関連講座への影響とその対応

 6. 貿易証明

 7. 財政状況

 8. 事務局職員の被災状況

〔資 料〕

 第1次〜3次経済復興に関する要望書本文

 震災に関連した調査の概要

 阪神淡路大震災被害 復旧・復興概況