「震災・活動記録室」中間報告 / 阪神大震災地元NGO救援連絡会議「震災・活動記録室」[編]. - 発行:神戸 : 阪神大震災地元NGO救援連絡会議「震災・活動記録室」, 1995.8. 請求記号:震災-7-11,12,345. - p45-46
記録室通信

22-July-1995 第6号
Quake Chronicle Project
震災・活動記録室

−はじめに−

 皆様、いかがお過ごしでしょうか。「震災・活動記録室」です。暑さも厳しくなってきましたが、記録室一同、これからも頑張っていきたいと思っております。今後もいろいろと宜しくお願い致します。
 それでは第6号をお送りいたします。
(「記録室通信」担当:舟橋健雄)

−記録室通信とは−

 記録室では震災後のボランティア活動の記録を残すことを目的として、アンケート調査、インタビュー取材などを中心に活動してきました。同時に各団体から活動の資料を提供していただき、目録を作成して将来公開するための準備を進めています。そして、活動の中で出会ってきた皆さんとの情報交換の場として、また新たな出会いの場として、毎週「記録室通信」を発行しています。被災地での最新情報、全国のボランティアの動き、支援活動でつかんだノウハウの紹介等の発信を考えています。

−NOTICE!!(お知らせ)−

記録室では、今月の末をめどに、今までの活動の「中間報告」をまとめる予定でおります。この中間報告を、次回の記録室通信の代わりとさせていただきますので、ご了承下さい。郵送などの形で皆様にお届けする予定でおりますので、ご意見・ご要望などあれば、ご連絡の程宜しくお願い致します。

 

−震災関連図書の紹介−

津村 喬「神戸 難民日誌」岩波ブックレット NO.372
1995年4月20日発行 400円

 震災当時、ポートアイランド在住の津村氏が自らの体験を振り返って、避難所で過ごした地震当日から5日間の日記とその後の被災者の抱えている問題点、必要とされている心の癒し、神戸市としての復興について率直な意見をまとめた小冊子がこの「神戸 難民日誌」である。
 日記には公団の集会室に避難した自らの姿を「難民」に例えた「難民日記」が記されている。食料を調達し宴会をしたり、スーパーに9時間も並んで買い出しに出かけたり、少ない水で生活するためにトイレのことと使用後の食器についてのルールを定めたり、“おいしい難民生活”と名付けられているとおり、食についての事情に細かく触れている点が印象的であった。人間が生きていくために食は決して避けて通れないものであると痛切に感じながらも、そのサバイバル生活をあえて楽しんでいるような姿が克明に描かれていた。
 ここに出てくる「難民」は「明るい難民」である。それは被災者を代表するものではなく、一面的なものであることは承知の上で震災直後から「明るい難民」像を書きまくっていると筆者は言う。しかし、マスコミの作り上げる悲惨な被災者像に違和感を覚え、ひどい目にあった人ほどたくましいという現地の事実を伝えるために、そして被災者をお客さん扱いせず主役にするために、あえて「明るい難民」像を広めていることが大変興味深かった。
 「かわいそうな被災者」の方がニュース性が高く、取り上げやすい材料であったのに対し、逆の側面を見せてくれることが可能であったのは、同じく被災した身としての発信が良い効果をもたらしたのであろうと思われた。

 

−<OJAMAします>−

 今回から、記録室のメンバーがいろいろな所にお邪魔した時のレポートを掲載させて頂きいたいと思います。今回は、何度かこの「通信」ででもお伝えした「兵庫区ボランティアOB会」で行っている「子供が見た震災展」にお邪魔した時のことをご報告致します。

子供が見た震災展

 7月4日から16日にかけて、東京近郊3ヵ所で開催されている「子供が見た震災展」にお伺いしました。主催は兵庫区ボランティアOB連絡会東日本(担当代表 フェルケル寿々栄さん)で、震災後兵庫区の避難所等でボランティアをしてきたメンバーのうち関東在住の方々が呼びかけて開かれたものです。
 展示されているのは、神戸市と西宮市の小学生の子供たちが震災後1ヵ月を経たころに書いた絵と作文、そして神戸母子寮再建募金集め関連の子供の絵など、子供たちの貴重な体験が表されたもです。被災した子供たちの絵にはひとことずつコメントも添えられていて、例えば「神戸がもえた」とか「人ぎょうがみがわりになったとおかあさんがいった」「水をたくさんはこんだよ」など、そのひとこと一言に凝縮された震災の非日常的な恐れや驚きを感じることができる作品ばかりでした。
 また、アメリカ ジョージア州の幼稚園児が神戸の震災のためにペニー募金を行い、小銭を集め、そのプロセスをコンピュータグラフィックで子供たち自身が絵本にしたものも、同時に展示されていました。幼稚園児なりに遠く離れた日本の神戸という町に住む子供たちのことを思いやって募金を集めた様子が作品から見てとれました。
実際の神戸に居て震災後の風景を目にしてきた者にとっても、子供の目に映った神戸は、また違った印象を与えるものでした。子供の表現はダイレクトで人目を気にして取り繕うことは大人に比べれば少ないことと思います。それだけに嘘いつわりのない心情が表されており、おそらく被災地に全く足を踏み入れず、間接的な情報にのみ接してきた人たちにも、その心は伝わっていくことと思います。
 子供たちの目を通した震災の生の記録ともいえる「子供が見た震災展」は、山口県下松市を出発点として3月に始まり、大阪、北九州、大分等を経て、今月は東京、広島を回り、これからも全国で開催され続ける予定です。機会があれば、どなたにも一度は足を運んで見ていただきたい「震災展」でした。
(東京特派員:三浦あかね)

以下に「子供が見た震災展」の今後の開催予定を紹介いたします。

 

−Information情報の広場〜−

「子供が見た震災展」

<広島会場>7月20日〜28日
 広島県安芸郡海田町 西京銀行海田支店 担当:宮本 光康さん Tel:082−822−3464

<名古屋会場>8月3日〜10日
 愛知県名古屋市セントラルパーク 担当:山本 進太郎さん Tel:052−882−7464

<三重会場>8月11日〜20日
 三重県川越町サンリバー  担当:高橋サチコさん  Tel:0594−31−4644

<長野会場>8月23日〜30日
 長野県上田市 担当:小林 京子さん Tel:0268−23−0656

 

−今週の記録室−

 神戸では、雨音の多い1週間となりました。皆様はいかがお過ごしですか?記録室の面々も日々頑張っております。

 今週は、兵庫県三木市にある『コープボランティアセンター』事務局へうかがい、お話を聞いたほか、いくつかの資料を貸して頂きました。そのほか、『SVA(曹洞宗ボランティア会)』のスタッフの方へのインタビューもさせていただきました。

また、来週は中間報告という形で、今までの活動をまとめたものを皆さんにお伝えするつもりでおります。
 また、今後もインタビューや資料のご提供などご協力のほど、宜しくお願いいたします。

 「震災・活動記録室」では、震災後のボランティア活動に関する資料(活動記録・日誌・写真・ビデオ等)を集めております。これら貴重な記録を後世に残すためにも、皆様のご協力、宜しくお願い致します。
 また、「記録室通信」への投稿も受け付けております。ご意見・インフォメーションなどありましたら、ご連絡下さい。

(「震災・活動記録室」:白鳥 孝太)


(c)1995阪神大震災地元NGO救援連絡会議「震災・活動記録室」 (デジタル化:神戸大学附属図書館)
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