大地震の被災動物を救うために : 兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録 / 兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録編集委員会編. - 発行:[神戸] : 兵庫県南部地震動物救援本部, 1996.12. 請求記号:震災-7-156,318,319

巻頭のことば

兵庫県南部地震動物救援本部
本部長 鷲尾勝彦

 平成7年1月17日、震度7の大地震が兵庫県南部を襲いました。6千余名の尊い人名を奪い、地上のあらゆる財産を破壊し、混乱に陥れ大火を残した。後にはがれきの山が残り、住み慣れた家屋、食糧をも失った。
 死者には冥福を、被災者には復興の勇気を励ますこと以外になすすべもなく、皆様にお見舞いを申し上げた次第でありました。その後、広く全国各地から寄せられた動物に対するご支援をくだされた方々に、心からお礼申し上げる次第でありました。大災害でありましたが、未経験のため手探りをしながら兵庫県南部地震動物救援本部を(社)兵庫県獣医師会、(社)神戸市獣医師会、(社)日本動物福祉協会阪神支部がボランティア活動を原則として設置した。救援事業は、国、県、市、町の行政指導、協力を得ながら県下2カ所に動物救護センターを設けて、全国からボランティアを募集しながら代表者会議を重ねて1年10ヶ月にわたって被災動物の救援活動を行いました。
 この間多くの教訓を学び、反省とともに臨機応変の措置、対策を講じて1、500余頭の動物を収容し、1,000余頭を里親に送り8,000余頭を診療、治療し、動物愛護に関する法律の主旨に則って動物愛護精神の高揚を果たしながら活動を終えることができました。
 この震災体験は兵庫県のみの問題ではなく、火山災害、自然災害の多発する日本国土では有事の際、全国の動物防災体制が是非必要であることを痛感いたしました。
 災害が発生すれば、交通途絶、通信不能、火災発生、水害発生、水、食糧不定、危険多発、人、動物は身動きがとれなくなります。
 国・自治体・民間が一体となった防災対策制度の早期創設がもっとも必要であると思われ、この機会に関係官庁に対しまして今後の具体的な対策の構築を願うものであります。
 兵庫県南部地震動物救援本部は、「緊急災害時動物救援本部」に、今後万が一にも国内で大災害が発生したとき、今回残された義援金を活用し、被災した動物を救うべく、制度を創設して頂くことを特に決めました。この動物救護活動期間中、国、県、市、町の関係行政機関、義援金にご協力を頂いた多くの方々、及び、構成団体諸兄に対して厚く御礼を申し上げます。また、本報告書作成に当たっては大阪府立大学獣医生理学教室、太田光明助教授には寝食を忘れるほど多大なご指導を賜り、更に、日新堂印刷株式会社吉田好廣社長の大変なご協力により、この報告書を発刊することができました。ここに両氏に対し深甚なる感謝の意を表わします。今後、人と動物が災害に屈することなく、共存共栄できますことを願い、活動報告のお礼の言葉といたします。皆様のご支援、ご協力誠に有り難うございました。


(c) 1996兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録編集委員会 (デジタル化:神戸大学附属図書館)
目次画面へ戻る