大地震の被災動物を救うために : 兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録 / 兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録編集委員会編. - 発行:[神戸] : 兵庫県南部地震動物救援本部, 1996.12. 請求記号:震災-7-156,318,319. p41-48

淡路の動物救護活動

県からのお知らせ

生第780号
平成7年2月2日
各保健所長様
保健環境部長
兵庫県南部地震動物救援対策の実施について
 平成7年1月17日に発生した兵庫県南部地震により被災を受けた動物に対する救援活動を行う必要があるため、下記の対策を講ずることとしましたので、御了知願うとともに、必要に応じて職員の派遣等について御協力をお願いします。

I. 動物救援対策の基本方針
  1.  救援活動については、原則としてボランティア活動として実施する。
     県は、当該活動が効率的に実施できるよう総合調整及び指導を行うこととする。
  2.  ボランティア活動を一元的に実施できるようにするため、その企画・調整等を行う機関として(社)兵庫県獣医師会を中心として対策本部を設置させることとする。
     なお、対策本部については、平成7年1月21日付兵獣第115号で(社)兵庫県獣医師会から「兵庫県南部地震動物救援本部」(以下「対策本部」という。)を設置した旨の通知があった。
  3.  被災区域については、対策本部による活動を優先するものとし、狂犬病予防法等の法令に基づく県の通常業務は、特に必要があると認める場合(犬による人への危害の発生のおそれがある場合等)のみ対応することとする。
     また、(社)兵庫県獣医師会に委託して実施している通常時の負傷動物の収容義務は、被災地については対策本部による活動として対応することとする。
  4.  対策本部による活動が、機動力、技術力等により対応が困難であり、対策本部から協力要請があるときは、県はその援助を行うこととする。
II. 設置された対策本部の概要
  1. 組織
    (1)本部構成員
       ア (社)兵庫県獣医師会
       イ (社)神戸市獣医師会
       ウ (社)日本動物福祉協会阪神支部
    (2)事務局
        兵庫県立産業会館内に置く。
    (3)支部(救援活動実施)
    (社)兵庫県獣医師会支部、(社)神戸市獣医師会支部、(社)日本動物福祉協会支部の3支部を設置し、救援活動を実施する。
  2. 活動内容
    (1)飼養されている動物に対する餌の配布
    (2)負傷している動物の収容・治療・保管
    (3)飼養困難な動物の一時保管
    (4)放浪動物の保護
    (5)所有者探し及び情報提供
    (6)その他動物に関わる相談
  3. 救護動物の保管施設
    臨時救護センター、仮設救護センターを本部で設置し、収容することとしているが、開業獣医師等の診療施設での保管も行っている。
  4. 支援物資
    (財)日本動物愛護協会が主体となって11の団体が構成員である「兵庫県南部地震動物救援東京本部」が組織されており、全国からの救援物資の集約及び兵庫県本部への発送等を行っている。
     県内の保管施設は、餌が2カ所(阪神家畜診療所、尼崎市動物管理事務所)、動物医薬品が1カ所(旗谷動物病院)となっており、当該施設から被災地各地への搬送は、原則として支部の構成員が担当する。(餌、動物医薬品は、無料配布している。)
III. 県としての対応
 対策本部の活動と県の通常業務と競合する「犬の引取り業務」、「犬の収容業務」及び「負傷動物の収容業務」については、次の対応を行うものとする。
  1. 犬の引取り業務
     対策本部による救援活動を優先することとし、県民からの要請があった場合は、当該活動について説明を行い理解を得るとともに、対策本部又は各支部に連絡するよう指導することとする。
     ただし、所有者の希望によりやむを得ず犬の引取りを行わなければならない場合にあっては、引取りを行うこととする。
     その際の手数料については、免除しても支障がないものとし、所有者からは引取り願いに併せて手数料免除申請を行わせることとする。
     なお、手数料免除申請の生活衛生課への進達は、後日まとめて行うものとする。
  2. 犬の収容義務
     (1)被災区域のうち特に被害が大きい区域については、対策本部による救援活動を優先することとし、県民からの要請があった場合は、当該活動について説明を行い理解を得るとともに、対策本部又は各支部に連絡するよう指導することとする。
     被災区域のうち比較的被害が小さい区域については、住民の避難状況、家屋の倒壊・半壊状況等から判断し、次の措置を行えるときは保健所において放浪犬の収容を行うものとする。
     被災区域における登録犬のうち被災者に係るもののリストを作成し、放浪犬を収容した場合、照合を行うことにより所有者に連絡し、返還が行える。
     行方不明犬の届出を保健所で受付け、そのリストを作成し、放浪犬を収容した場合、照合を行うことにより所有者に連絡、返還が行える。
  3. 負傷動物の収容
     対策本部の救援活動を優先することとする。
  4. 対策本部からの協力要請による援助については、業務に支障がない範囲内で随時行うこととする。
     なお、管外への出動等については、対策本部と生活衛生課との調整が必要とする。
     また、対策本部に対する援助によって動物を収容した場合等は、対策本部による収容等として取扱い、原則として法令等による手続き(公示、返還手続き、措置命令等)を行わないこととする。

兵庫南部地震により「家を失った飼い犬」の推計

  世帯数全壊世帯数全半壊世帯数全壊百分率全半壊百分率登録頭数全壊犬数全半壊犬数
洲本 洲本市15069166480.114.32048288
津名郡 津名町5534603138210.924.9760065150
淡路町25962457809.4430.0528727 
北淡町36871341189136.3751.2928110286
一宮町30401032184533.9560.69461157144
五色町29281784486.0815.347629280
東浦町269730572511.3126.883473973
小計204823704707118.0834.52245241993
三原郡 緑町156417701.094.484094826
西淡町36691342933.657.996472418
三原町4567181250.392.74939452
南淡町66109730.141.11034126
小計164101785611.083.4230293311
合計51961389882807.515.947529454107

淡路地域での対応

(1)負傷動物の収容
 所有者の判明しない負傷動物を発見した場合は、負傷動物救急指定病院へ運ぶ。
 負傷動物救急指定病院14動物病院(48ページ参照)
(2)犬の引取り
 兵庫県南部地震動物救援本部と相談し、できる限り継続して飼養する。やむをえず継続して飼養できない時は、保健所に相談する。
(3)猫の引取り
 動物救援本部と相談し、できる限り継続して飼養する。やむをえず継続して飼養できない時は、市町役場に相談する。
(4)行方不明となった犬の情報
 行方不明となっている犬、迷い込んで来て一時保管している情報は、各保健所に相談する。
(5)飼育困難な動物の一時保管について各動物病院で対応する

救護等の状況

行方不明の届出件数
(内1頭は犬が帰ってきた。)
8頭
迷い込んで来て一時保管しているもの2頭
飼養困難な動物の一時保管8頭
放浪犬の保護6頭

今後の課題

(1) 保護動物の収容施設の整備
(2) 放浪犬の集団化対策
犬は集団化する習性があり、人への危害発生が懸念される。保健所によるパトロールの強化と危険性のある犬の保護の必要がある。

地震直後の診療可能な動物病院

お知らせ
 被災者の皆様にお見舞い申し上げます。
動物に関して何なりとご相談をお受けいたしますので下記にご連絡下さい。

相談・連絡先
医療相談(現在治療を受けられる神戸市獣医師会々員の病院)
[神戸市東灘区] 
原獣医科病院 078−411−0362
[神戸市灘区] 
数見家畜病院 078−861−6688
阿地動物病院 078−871−7600
[神戸市中央区] 
円橋動物病院 078−341−0753
[神戸市兵庫区] 
大松獣医科 078−671−1847
[神戸市北区] 
市田動物病院 078−593−3011
河村獣医科病院 078−981−3892
オレンジ動物病院 078−592−2144
北六甲動物病院 078−981−8859
酒谷動物病院 078−982−5313
井本動物病院 078−981−6915
[神戸市長田区] 
石原動物病院 078−631−0363
オタニ動物病院 078−691−2988
近藤獣医科病院 078−691−4754
[神戸市須磨区] 
アルマ動物病院 078−795−5082
山口獣医科病院 078−792−5037
北須磨動物病院 078−792−3332
[神戸市垂水区] 
小林動物病院 078−753−2273
桃山台動物病院 078−752−6006
小川獣医科 078−751−3516
旗谷動物病院 078−709−5511
藤原動物病院 078−709−8511
タルミ家畜病院 078−707−2525
大塚愛犬病院 078−784−2646
舞子坂動物病院 078−782−5038
学が丘動物病院 078−781−7444
西岡橋動物病院 078−785−5960
永岡動物病院 078−784−2112
[神戸市西区] 
獣医科辻田医院 078−974−1076
安福獣医科 078−967−0153
山中動物病院 078−994−0785
タキ動物病院 078−995−0388
オクノ動物病院 078−995−0680
エルザ動物病院 078−928−3024
ブレーメン動物病院 078−975−5876
アイバリット動物病院 078−965−1523
アラサキ動物病院 078−967−3383

兵庫県獣医師会各地区責任者
[兵庫県阪神支部]森川獣医師 0727−72−3216
[兵庫県西宮支部]空田獣医師 0798−65−7183
[兵庫県尼崎支部]真新獣医師 06−436−4543
[兵庫県東播磨支部]山本獣医師 0794−22−2289
[兵庫県姫路・西播磨支部]岸田獣医師 0790−22−3838
[兵庫県摂丹支部]堀井獣医師 0795−94−1098
[兵庫県淡路支部]立花獣医師 0799−22−3577

社団法人 日本動物福祉協会 阪神支部会員相談奉仕
[西宮市方面]藤中相談員 0798−47−7104
(午後1:30〜5:00と午後8:00〜10:00のみに限定 その他の時間はご遠
慮下さい)
[尼崎市方面]佐藤相談員 06−422−5598
[姫路市方面]ランツ相談員 0792−97−2274
[神戸市内地区]芹田相談員 078−261−0662
河合相談員 078−595−1530
圓尾(まるお)相談員 078−521−2668
松田相談員 078−967−2325

兵庫県南部地震動物救援本部
(社)兵庫県獣医師会
(社)神戸市獣医師会
(社)日本動物福祉協会 阪神支部

兵庫県保健環境部生活衛生課
神戸市衛生局公衆衛生課

地震直後はこれらの動物病院で被災動物を保護収容し、救護センターが開設された後、動物はセンターに移送された。


負傷動物救急指定病院(淡路地区)
杉村肇656洲本市大野280−10杉村動物クリニック0799−22−2770
立花史朗656〃上物部831−3立花動物病院0799−22−3577
山本弘656〃上内膳121−1松島家畜医院0799−22−5999
田村日名子656−17津名郡北淡町浅野南495−2山本〃0799−82−0308
安藤武樹656−23〃東浦町久留麻8−20田村〃0799−74−5955
高倍弥太郎656−21〃津名町志筑1926−15安藤〃0799−62−4321
池田順子656−04三原郡三原町八木天野大久保678たかべ動物病院0799−42−1505
岡田英幸656−84〃〃榎列小榎列180池田動物病院0799−42−3051
高田研作656−04〃〃松田710−56岡田家畜病院0799−42−1158
河崎俊一656−04〃〃市徳長166かわさき動物病院0799−42−0654
水島富雄656−04〃〃八木入田104高田家畜病院0799−42−0428
長谷昌明656−01〃緑町倭文土井40−3長谷家畜病院0799−46−0140
松島寛光656−03〃西淡町松帆志知川195−4水島〃0799−36−2254
安田勘司656−05〃南淡町伊賀野911安田〃0799−55−0116

(c) 1996兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録編集委員会 (デジタル化:神戸大学附属図書館)
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