大地震の被災動物を救うために : 兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録 / 兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録編集委員会編. - 発行:[神戸] : 兵庫県南部地震動物救援本部, 1996.12. 請求記号:震災-7-156,318,319. p61-65

救援物資

 1月17日未明、近代都市を襲った大地震の惨状は、テレビ、ラジオ、新聞などマスメディアを通して全国民に伝えられていった。
 現地では、人命最優先の救助活動が始まった。大規模な火災の消火活動、負傷者の収容と治療、そして避難者の手当、ライフラインの確保など、国の総力をあげて、災害救助が行われた。
 こうした状況のなかで、人命救助とほほ同時に「動物救助」の気運が芽生えていた。人命が優先されることは云うまでもない。しかし、それぞれの立場で何か出来ることはないかと思い、考え、結実した組織が、兵庫県南部地震動物救援「東京本部」であった。「東京本部」を組織構成した11団体の詳細は、第一章で既に述べた。

ペットフード

 日本ペットフード工業会は、活動の初期に有り余るほどのペットフードを送った。
 ここでは、3月28日までに、5つの施設に搬入されたペットフードの総量と状況を表とグラフにまとめてみた。搬入されたペットフードの総量は、1000頭の動物が毎日500グラム食べたとして、200日間以上にわたって供給出来る量であり、いかに大量のペットフードが救援物資として寄せられたか想像に難くない。グラフから分かるように、1〜2週間の間隔で大量のペットフードが搬入され、保存する施設の確保に多くの苦労があった。こうしたことから、今後の課題の一つとして、いわゆる計画的な救援物資の搬入が期待されるところである。

救援物資 −ペットフード−
東部救援物資保管施設
尼崎市中央保健所動物管理事務所
41,282kg
西部救援物資保管施設
兵庫県工業共済組合連合会 農済家畜臨床総合研修所
50,200kg
神戸動物救護センター 4,952kg
三田動物救護センター 9,023kg
伊丹動物一時保護収容所 2,235kg
合 計 107,692kg



ペットフード受入推移

ペット用品

 日本ペット用品工業会もまた、動物救援活動の初期に、必要なペット用品を神戸に送った。

救援物資 −ペット用品−
ペットシーツ 15800枚
動物保管用ゲージ 420個
首輪 400個
食器 200個
哺乳ビン 50個
リード 500本
糞取り器 40ケース
猫砂 3750Kg
(平成7年5月8日現在)(東京本部)

日 獣 発174号
平成7年1月30日
全国動物薬品器材協会
 理事長 森 永太郎 殿
動物用生物科学的製剤協会
 理事長 野村 吉利 殿
日本動物薬事協会
 理事長 畦地 速見 殿
社団法人 日本獣医師会
会長 杉山 文男

兵庫県南部地震動物救援活動に対する動物用医薬品等の供与について(協力依頼)

拝啓 本会の事業等につきましては、常日頃から種々のご理解、ご協力を賜っておりますことを心から感謝申し上げます。
 さて、去る1月17日未明に発生いたしました兵庫県南部地震につきましては、人に悲惨な大災害をもたらしただけでなく、家族の一員として飼養されていた犬や猫等の動物にも負傷や飼い主が不明となったりする等の被害が生じております。(被災動物の総数は、犬猫合わせて約8,700頭にのぼると推計されております。)
 このため、被災地である兵庫県におきましては、(社)兵庫県獣医師会及び(社)神戸市獣医師会並びに(社)日本動物福祉協会阪神支部が構成団体となって「兵庫県南部地震動物救援本部」(現地本部)を設置するとともに、神戸市動物管理センター内及び三田市の2カ所に被災動物の救護施設を設置して被災動物を保護収容し、ボランティア獣医師による診療のほか、里親探し等の活動が積極的に展開されております。
 つきましては、誠に厚かましい御願いで恐縮でございますが、この動物救護活動に必要な動物用医薬品及び器材を無償で現地本部に供与していただければ幸甚に存じます。
 どうか事情をご斟酌のうえ、貴協会のご理解、ご支援を賜りたく何卒よろしく御願い申し上げます。
敬具

医薬品

 負傷あるいは衰弱した動物たちの治療に必要な医薬品類は、(社)日本獣医師会を通して現地に送られた。
 他の団体もまた、各々が利するところを生かし、救援物資の調達に総力をあげて取り組んだ。東京本部の構成団体を中心に、このようなバックアップなくして動物救護活動は成り立たなかったであろう。
 動物救護活動は平成7年1月21日から始まり、平成8年5月29日まで、約16カ月にわたって続けられたが、この間、被災動物を救うために必要な全ての物資が無償で提供されたわけではない。寄せられた義援金によって、必要なペット用品あるいは医薬品類は随時購入された。しかし、少なくとも動物救護活動の初期には、必要な救援物資がほとんど全て無償で提供された。

救援物資−医薬品類−
ガーゼ 2360包
サージカルテープ 118本
ボルホカラー 960個
脱脂綿 36包
注射器 18500本
聴診器 3本
電子体温計 80本
包帯 120本
縫合糸 222本
縫合針 120本
輸液セット 1000本
翼状針 800本
鉗子 60本
アンサイロール(注) 20本
アンチセダン(注) 21本
イソジン 3本
インターキャット20本 300頭分
エスビラックリキッド 1056箱
クロラムフェニコール(注) 10本
ケタラール(注) 1本
セラクタール 2本
デキサメサゾン(注) 320本
テラマイシン(注) 10本
テルペラン(注) 500本
ドヒパック5 400頭分
ドミトール 51本
トリサーブ 100本
トリブリッセン 300錠
ドロンシット 20本
バイトリル 100錠
パナゲン 50頭分
ピペラジン(錠) 2000錠
ブドウ糖(注) 500本
ベトラップ 327枚
ペニシリン 10本
マイシリンゾル 10本

神戸および三田動物救護センターに寄せられた主な医薬品類リスト
(平成7年2月20日現在)

ボランティア活動を支えた救援物資

 被災動物を救うために、懸命な活動を展開したボランティアのために、寝具、バスタオルなどの生活用品、お米、インスタント食品などの食品類、あふれるほどの善意の品々が、個人やさまざまな団体から寄せられた。生活必需品はもちろん、何でこんなものまでと、思われる物まであった。
 救援物資として、生活用品を寄せるとき、送る立場よりも貰う立場でものを考え、いわゆる不用なものを送らないことも重要なことであろう。

救援物資−ボランティアに寄せられた援助物資の主なもの−
食料品
インスタント食品
野菜など
毛布
その他
マット
ボンベガス
自転車
衛生用品
座布団
缶きり
保護情報
体重計
大工道具
スノコ
新聞紙
シーツ
タオル
衣類
電気器具
電気カーペット
電気ストーブ
石油ファンヒーター
ファックス
テレビ
洗濯機
その他の電化製品
文房具
文具
ノート
ドクターメモ
事務用品
コンピューターソフト
雑誌
書籍



(c) 1996兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録編集委員会 (デジタル化:神戸大学附属図書館)
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