大地震の被災動物を救うために : 兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録 / 兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録編集委員会編. - 発行:[神戸] : 兵庫県南部地震動物救援本部, 1996.12. 請求記号:震災-7-156,318,319. p66-70

義援金

義援金の収支

 平成8年10月末までに寄せられた義援金の総額は、264,792,032円にのぼる。既に述べたように、地震が発生してから2カ月以内に義援金総額の約半分、131,501,426円が寄せられていた。寄せられた義援金の件数は、14,911件にのぼり、まさに予想をはるかに超えるものであった。
 平成8年5月29日に神戸動物救護センターが閉鎖され、兵庫県南部地震動物救援本部の被災動物救護活動は完了した。しかしながら、その後も、件数ならびに金額は少ないものの、依然として寄付金が寄せられている。驚くべきことである。

全国からのお手紙

前略
 この度の阪神大震災においてお亡くなりになられた方々、被災を受けられた皆様に心よりお悔みとお見舞いを申し上げます。又、日夜小さな命の救援に当っている皆様本当にご苦労様です。
 飼い主を失ったペット、被災され飼う余裕がなく手放される方、大変心が痛みます。何んとか救いの手を差し延べたいと思っても力にも限りがあります。
 先日、横浜でも里親を募集する会が開かれました。我家はすでに猫が2匹、いずれも拾った猫です。残念乍らそちらではお役に立つ事が出来ません。大変僅かですが、義援金を送らせていただきます。
 1日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。


  動物救援本部の皆様
前略
 この度の大震災では大勢の方々が犠牲になられ心からご冥福を祈ると共に、同じように犠牲になった多くの物言わぬ小さな命にテレビで見たり考えるたびに涙しております。大ケガをして助け出された動物達が一匹でも多く助かりますように祈り、まだガレキの中で必死で助けを呼んでいるのではないかと、心を痛めております。
 若くもなく、体力もなく、何もお手伝いも出来ませんが、5千円、わづかでございますが、同封致します。エサ代にでもなさって頂ければ幸いです。
 5才になります2匹の猫とテレビを見乍ら「あの子達も早くよくなって又幸せに暮らしてくれるといいわね」と、神様にお願いしております。
 ドクターはじめお世話されている皆さまのご健康と、ご活躍を神に祈り、皆さまのお働き感謝致しております。
 過労で皆さま、おカゼなど召しません様に。
 とりあえずお見舞いのみ
 かしこ (2月13日)


  被災地での想像を絶する混乱の中でのご活躍、本当にご苦労様でございます。
 災害で路頭に迷う物言わぬ犬や猫たちに救援の手をさし伸べられる報を知りましてホッとしております。
本当にありがたいことだと嬉しく思っております。
 少しですが義援金を1万円送らせていただきました。
 皆様も健康に留意されお大事にご活躍下さいますよう祈っております。
(2月23日)


  大震災被災お見舞い申し上げます。
 大変なことでございました。動物達の世話をなさる皆々様のご苦労は如何許りかと存じます。
 少額ですが同封いたします。私事で恐縮ですが、去秋、夫の会社が倒産致しましたので自宅を債権者に渡すため、生後28日目から六年間共に暮らしてきた2匹のゴールデンリトリバー犬を手放しました。
幸いなことに2匹揃って犬好きな家にもらわれて行きましたが、不条理な別れをしてしまった犬達にいつ迄も心が残ります。
 被災された飼主の方々と動物達の心情を思いますと涙々です。わが家もこれから立ち上がらなければなりませんので何のお手伝いも出来ませんが、皆々様のご苦労ともの言えぬ動物達への愛のお心を忘れず、少しでも報われることがあることを念じて止みません。
 「…神様は試練を与えたら、それを乗り越える力も与えられるのです」とは私の恩師が私におくって下さった言葉です。被災された方々に、一日も早く春が訪れることを記念申しております。
 呉々もご健康にお気をつけてお過ごしくださいませ。
 かしこ (2月19日)


  動物救護センター様
 阪神大震災の被害にあわれた全ての生きとし生けるものにお見舞い申し上げます。
 我家には猫が2匹おります。地震の時は、「絶対助けてあげるからね!」と言っていますが、東京で起きたらどうなりますか?
 些少ですが、お役立てていただきたく贈ります。救援にあたる方々も呉々も気を付けて下さい。被災地の早い復興をお祈り申し上げます。(平成7年2月10日)


兵庫県南部地震動物救援本部様
前略
 先日は失敬しました。
 早速ですが受け付けの募金箱にたまった浄財をお送りします。¥20,081。当院ではこれで3回目になります。振込用紙をはりつけ募金者に知らせています。どこの団体へでもけっこうです。何か目安になるものをお送り頂ければ幸です。
 先生の御苦労と活躍に頭の下がる思いです。頑張って下さい。
(動物病院)


前略
 この度の大災害心からお見舞い申し上げます。皆様方のご援助活動ほんとうに大変なことと存じます。お手伝に伺うことが出来ず心苦しく思います。
 新聞やテレビ報道では知ることが出来ますが、実際その場に立つといかに大変なことかとご推察出来ます。
 同封にてほんとうにわずかですがエサ代他にお役に立てていただければと思います。動物も同じ災害に合ってきっとおどろいている事でしょう。私も捨猫と現在一緒に生活していますし又、会社へもエサを無心に毎日2匹来ています。
 皆様もお身体に充分お気をつけて長期間かかりそうですが、がんばって下さいませ。
 心から早く一日も早くと復興をお祈りしています。(平成7年2月20日)


神戸市動物救援センターのボランティアの皆様へ
 雑誌で震災によって被害を受けたペットのことを知りました。
 義援金とか物資がたくさん神戸に贈られたと思いますが、今の日本の行政では、ペットまでには届かないだろうと思い、使い古したタオルやシーツなら少しでも役立つかもしれないと思い送ることにしました。動物達も、言葉には出せないけれど深く傷ついていると思います。
 どうか、ボランティアの皆さんも、体に気をつけて、頑張って下さい。



義援金の収支の表を以下に示す。

兵庫県南部地震動物救援本部義援金収支一覧表
平成7年1月21日〜平成8年10月31日
収入の部支出の部本部神戸三田伊丹
寄付金264,792,032給料29,041,86511,392,59710,529,9487,119,320 
雑収入1,994,076その他需用費18,300,9033,729,2826,359,8908,154,52657,205
  賄材料費6,976,415 4,721,7052,254,710 
  医薬材料費4,431,821 2,517,8001,914,021 
  通信運搬費4,065,3612,129,3661,060,547875,448 
  燃料費823,46622,655566,076234,735 
  光熱水費1,675,553  1,675,553 
  工事請負費83,525,915 39,874,65343,102,262276,000
  備品購入費13,003,9341,883,3133,871,6287,075,953173,040
  使用料及び貸借料8,906,6182,445,1384,807,8801,653,600 
  保険料898,960678,900220,060  
  謝金100,000  100,000 
  旅費948,100725,610108,970113,520 
  ※治療費367,779 167,769200,010 
  修繕費263,283 263,283  
  公租公課30,4003,00027,400  
  雑費95,26595,265   
  シンポジウム費481,384481,384   
  ※委託料4,066,0004,066,000   
  ※不妊手術費2,432,500 2,177,500255,000 
  ※賠償金2,647,694 2,647,694  
266,786,108182,810,21627,652,51079,922,80374,728,658506,245
  普通預金残高3,975,8923,975,892000
  定期預金残高80,000,00080,000,000000
合計266,786,108合計266,786,108111,628,40279,922,80374,728,658506,245
※委託料 賃料処理料 300,000
  報告書作成費 3,066,000
会計監査料 700,000
※治療費 ボランティア治療費
※不妊手術費用 救援本部半額負担
※賠償金 備品、破損、修理弁済分  

マスメディアの対応

 地震直後から数日間、動物に関する話題は「救助犬」であった。1月19日付け毎日新聞夕刊に、スイス災害救助隊の記事が掲載されたのち、数々のマスメディアがこの話題を取り上げている。
 「被災動物」に関する新聞記事が紙上に取り上げられたのは、1月21日付け東京スポーツの「行き場がない犬や猫」が最初かもしれない。その後、兵庫県南部地震動物救援本部が設立された(1月21日)あと、ほとんど連日、どこかの新聞紙上に「被災動物」に関する記事が掲載された。
 一方、テレビやラジオも、ニュース番組など、さまざまな形で取り上げた。一つのトピックスとして大きく取り上げたのは、2月13日放送のFNNスーパータイム「ペットの叫びが聞こえる」であったと思われる。
 このようなマスメディアによる報道があったあとには、必ず多数の義援金が寄せられた。もちろん、「マスメディアの対応と義援金」との間に明らかな相関があるとのはっきりした証拠はない。しかし、これほど多数の、また多額の義援金が寄せられたバックには、間違いなくマスメディアの報道があった。

(c) 1996兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録編集委員会 (デジタル化:神戸大学附属図書館)
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