大地震の被災動物を救うために : 兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録 / 兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録編集委員会編. - 発行:[神戸] : 兵庫県南部地震動物救援本部, 1996.12. 請求記号:震災-7-156,318,319. p92-93

動物たちへの思いは同じはずなのに

 地震によるストレスや病気で苦しむ犬や猫たちを前にして、どんな事に気を付けて接していったらよいか、初めは戸惑いもあったけれど、ICUで、食事の世話や掃除、薬の管理等の細かな配慮が、ボランティアの先輩たちの手でなされていた。私にそれができるか不安ではあったけれど、ケージの中の瞳を見ていると「このこたちが、早くよくなって、優しい飼い主さんの所で幸せになれるといいな」と願わずにはいられなかった。
 ボランティアって“してあげるんだ”という気持ちではできない事なんだと、学ばせてもらった。自分の心との戦いの連続で、自分の中の考えの甘さや弱さ、身勝手さをつくづくと実感させられることばかりで、落ち込みの連続だった。でも、自然体で、自分のできることをできるときに、できる人がやればいい、と思うようになってからは、だいぶ仕事も見えてきて、動物たちが少しでもやすらげる時間が持てるように、心配りできるようになってきたように思う。
 ボランティアから戻ってきて感じたのは、神戸から遠く関東にいると、オウム事件もあったからもあるが、神戸の情報が本当に少ないのである。地元の新聞にでていたような身近な情報(足りない物、欲する物、してほしい事など)を、全国版で流してもらえれば、遠くにいる人も、できる事に目を向け広げていけたのではないかと思う。
 また、救護センターと他の市民団体と、動物たちへの気持ちは同じなのに、協力しあって事にあたるのではなく、バラバラに対応している感じが、不思議でならなかった。善意の気持ちだけでは、どうにもならないものもあるのだろう。
 長期・短期の差はあるが、様々な人のいろいろな想いに触れられたボランティア経験は私にとって、素晴らしい宝物である。
枝井 美栄子

(c) 1996兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録編集委員会 (デジタル化:神戸大学附属図書館)
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