大地震の被災動物を救うために : 兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録 / 兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録編集委員会編. - 発行:[神戸] : 兵庫県南部地震動物救援本部, 1996.12. 請求記号:震災-7-156,318,319. p93

「動物たちに感謝」

 9月4日、我が酪農学園大学に関西学院大学聖歌隊が学校礼拝の時間に来られた。
 奨励では同大学の山内一郎先生がいくら経済的に復興は出来たとは言え、人々の心から未だあの地震の爪痕は消えていない、とのお話があり、その後『いざやともに』『主はきわめ知っておられる』『Steal away』『O What a Beautiful city』の4曲の応唱があった。
 私はこれらを聞いているうちに、自分がいた「三田動物救護センター」での日々を思い浮かべていた。忘れもしない昨年1月17日、今まで日本を襲ったことの無い未曾有の地震が神戸を襲い、多くの尊い命が失われたのである。
 震災後のマスコミを通して報じられて来る被災地の惨状とボランティアの重要性が自分を現地へと導いていた。
 現地では様々な事を経験し、考える事が出来た。ヒトと動物の関係について、ボランティア同士についてなど。
 そしてやはり動物も人間と同じだという事。動物は言葉が話せないのでなおさらである。当時、センターに入って来る動物たちはおそらく何らかの精神的ショックを受けていたと思われる。しかし当時のセンターの施設はまだ十分ではなく、猫は同じ飼い主のものであれば1つのケージに2、3匹入れたりしていたので、ストレスがたまり、体の抵抗力が落ちた時にFVRがまん延した。命を落としていく動物も見受けられた。三田の山奥の救護センターで命を落としていく動物を見ている時に飼い主のもとで死ねたら良かったのに、と何度も思った。
 今はもう施設も無くなり、跡地の建物も全て撤去されたという。しかし、たくさんの人との出会いがあり、動物との触れあいがあり、たくさんの思い出はいつまでも僕の心の中、そしてボランティアの心の中に生きて行くことであろう。
 今では全てが良き思い出である。全てのボランティア、そして動物たちに感謝している。
(三田動物救護センター 平成7年3月1日から)
北海道酪農学園大学酪農学部酪農学科
安田  元


(c) 1996兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録編集委員会 (デジタル化:神戸大学附属図書館)
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