大地震の被災動物を救うために : 兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録 / 兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録編集委員会編. - 発行:[神戸] : 兵庫県南部地震動物救援本部, 1996.12. 請求記号:震災-7-156,318,319. p94

獣医師ボランティアの仕事は

 2月18日より、ボランティア獣医師も保護動物の治療に当る。診療頭数は1日約40〜50頭。
 但し薬品類等はほとんど無いに等しい。かなりの低蛋白血症の犬に投薬はリンゲルと強肝剤、抗生剤でアミノ酸製剤やプラズマなどはない。
 抗生剤もペニシリン類など少量はあるが、新しい抗生剤はない。
 これらの点を神戸市の獣医師に要求しておいたが、当面の薬品は自分で持って行くことが最善の方法であろう。
 神戸市獣医師会の会長の話によれば、動物薬に関しては、兵庫県南部地震動物救援東京本部よりの寄付があったとのことで、薬品会社との交渉も動物薬専門の会社(北垣薬品など)からはかなりの寄付があったが、人体薬と動物薬の両方を扱っている会社からはいい返事はなかった。
 動物の病気としてはF.V.R、創傷、下痢、腎障害、膀胱炎、尿路結石等が主で、先日はパルボウィルス性腸炎が発生し、4頭の死亡があった。
 夜間は犬舎、猫舎はかなり低温になる(多分0℃位)ことから傷病動物には劣悪な環境である。
 一般ボランティアは主に協力的で、我々獣医師を頼りにしてくれる。又獣医師が命じたことは進んで手伝ってくれる。但し高圧的態度は慎むべきであろう。ボランティアは若い人が多いので、気が変わればすぐにでも帰ってしまうであろう。この点は神戸の獣医師も特に気を使っているところで、現在のセンターの働きは全てこれらの若い人によって成り立っている。
 当センターは1〜2年間は維持したいとのことである。現在は若い、健康な動物も多いが、一時預かりの動物が帰ったり、里親にもらわれていくために出ていくと、後には老齢動物や傷病動物がが残り、100〜70頭になれば、神戸市内の獣医師が1〜2頭引き取れば、センターは解散とのことである。
 神戸市に来られる先生は、白衣、聴診器等、手なれたものを持参された方が良い。
 センター内では外科手術等は現在は出来ない状態であるが、メスの刃等必要と思われる。咬傷等の緊急の手術の必要は増えてくると思う。
 あれば良いと思う薬品
  下痢止め(内服、散剤)
  抗生剤(パルミテート、シロップ等)
  蛋白製剤(アミノ酸製剤 プラズマ等)
  輸血用のチトラート又は採血びん等
  オブラート(又はカプセル)
  スポイト(プラスチックで可)
  その他にも必要と思われる薬品、器具は多くあります。
 状況は日々変化していますので、私の思っている所と次回に先生方が実際に行かれた状態は変わっているかも判りません。

大阪市獣医師会・阪井 敬

(c) 1996兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録編集委員会 (デジタル化:神戸大学附属図書館)
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