大地震の被災動物を救うために : 兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録 / 兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録編集委員会編. - 発行:[神戸] : 兵庫県南部地震動物救援本部, 1996.12. 請求記号:震災-7-156,318,319. p95-96

獣医師ボランティアの不満

 今回の救護活動に参加したボランティアたちの多くから、組織の不透明さやリーダーの不在、コミュニケーションの欠如についての不満が出されていますが、その大きな原因のひとつは、この活動が組織での経験が少ない獣医師を中心として行われたことにあると思います。
 私は獣医師たちの献身的な努力を批判するつもりは毛頭ありませんが、彼らは今回のような大所帯を運営するには、はなはだ力不足であり、もっと厳しい言い方をするならば、特に責任のある立場の人たちにリーダーとしての能力が欠けていました。現場の意見を汲み上げ、組織の構成員が納得するような形で方針を決め、力量のある人間に適切な仕事につけるようなシステムを作る能力は、個人で仕事をしている獣医師にとって習得が困難な技術であると思われ、近い将来に獣医師会に変わって大規模な動物救護活動の行える民間団体が育つ見込みのない現状では、今後行われる救護活動においてもこのような組織運営の混乱が繰り返されることのないよう指針となるマニュアル及び一基本をつくっていくことが重要だと思います。
 このようなことを避けるためにも、民間の動物愛護団体が早く成熟し、獣医師と共同して動物の救護にあたれるだけの能力を持つようになることを強く望みます。

日本野鳥の会 鳥と緑の情報センター
神山 和夫

(c) 1996兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録編集委員会 (デジタル化:神戸大学附属図書館)
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