大地震の被災動物を救うために : 兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録 / 兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録編集委員会編. - 発行:[神戸] : 兵庫県南部地震動物救援本部, 1996.12. 請求記号:震災-7-156,318,319

安楽死

「どうしても」飼えないことが、確かにある。近代都市を襲った今回の大地震は、頭でしか物事を理解しない人には、理解が困難な出来事がいくらでもあった。その一つが動物の「安楽死」である。地震災害の報道が一段落ついたころ、新聞、雑誌でも動物の「安楽死」を扱った記事を目にすることがあった。
 兵庫県南部地震動物救援本部は、保護収容した動物すべてが、元の飼い主か、あるいは里親に引き取られるまで、活動を続けることを宣言してスタートした。決して「安楽死」はさせない。もちろん、収容された動物のなかには、負傷が癒えずに死亡したり、あるいは救護センターで発病し、手当の甲斐もなく、死亡したものがいた。しかし、どんなに老齢であろうと、どんなに重症であろうと、また重い障害を持っていようと、安楽死させることはなかった。
 しかし、地震直後の混乱期には、安楽死を求める飼い主が少なからずいた(「神戸市ならびに兵庫県獣医師会々員へのアンケート調査」から、資料編参照)。また、実際に安楽死を求められ、獣医師としての責任において、やむなく執行した獣医師もいた。「どうしても飼えない。例え施設があっても、自分の手のなかで」との思いがあったという。


神戸動物救護センターで、手当の甲斐なく死亡した被災動物は42頭であった。
腎不全、フィラリア症など内科疾患が死因の主なものであった。





手当の甲斐もなく死亡した被災犬(神戸動物救護センター)


(c) 1996兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録編集委員会 (デジタル化:神戸大学附属図書館)
目次画面へ戻る