大地震の被災動物を救うために : 兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録 / 兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録編集委員会編. - 発行:[神戸] : 兵庫県南部地震動物救援本部, 1996.12. 請求記号:震災-7-156,318,319

仮設住宅と動物

森内利郎院長 アルファ獣医科病院(東難区)

(前略)
仮設住宅へ往診に行くと思う。お年寄りの一人暮らしでも、ペットと一緒に暮らしている人は、なんとなく生き生きしてる、楽観的で余裕がある。ペットのいる人同士で仲良くなったりするみたいだし。どう見ても年金暮らしという人が多いけど、そんな人ほどきっちりと診療費を払おうとしてくれる。やっぱりね、そんな人ほど診療費をまけといてあげようという気になります。ここだけの話だけど、金持ちの患者さんほど、けちけちしてますよ。今、心配に思っているのがペットを飼っている人が仮設から公営住宅へ移るとき。公営はペット禁止でしょ。なんとか柔軟な態度か対応がとれないのかな。ペットを飼える棟を一棟だけ作るとか。鳴き声がうるさいとかいうけど、人の子だって泣きますしね。震災のとき、家が壊れても、飼い猫がいるから外へ出られなかったお年寄りもいたらしいんです。「わしゃここで死ぬんや」って、猫を抱えて、それで暖とって。そんな人からペットを取り上げるとどうなるか。「生きがい」なんですから。
(神戸新聞・夕刊1996.11.8「震災聞き語りザ・仕事」から)

これらの手紙は貝原俊民知事宛に届けられたものです

(前略)
尚、被災者の方に仮設住宅を提供して下さる事になりましたが、ここでまた、新たな悩みが私にはあります。
飼い主の気持ちを理解して戴き、雲仙の被災動物のように泣き泣き動物を捨てなければならないような事にはさせないで戴きたいと思うのであります。一緒に生活を共にしていた動物をどうか、飼い主と共に暮らして行くことが出来るように、知事さまのお力をお貸しくださいませ。
−(後略)−

(主婦A)


(前略)
新聞報道によれば、仮設住宅での犬猫などのペットの飼育が禁止されているとのことです。それが事実としたら、行政は大きな間違いを犯していると思います。
今、この災害時の非常事態の中で被災した人達にとって何とか共に生きのびた犬猫などのペットは最良の伴侶になっています。この非常時に心の問題が大きな問題になりつつあります。ひとつの社会不安の要因となる可能性も大きいと思います。
そのようなときに犬猫などのペットがどれだけ大きな心の慰めになるかはかり知れません。
逆に仮設住宅に入ることにより、愛する動物と別れなければならないストレスは、非常に大きいと思われます。ペットを飼う殆どの人にとってペットは家族の一員ともいうべき存在です。
被災者の心理状態に配慮した行政をお願いし、ペットも一緒に生活できるような仮設住宅の設置をして戴くようにお願いするものです。 −(後略)−
(西宮市民)


(c) 1996兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録編集委員会 (デジタル化:神戸大学附属図書館)
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