かわら版, no.84

発行:阪神大震災地元NGO救援連絡会議
1996.1.19. - [1]枚
請求記号:震災-6-v82


NGO連絡会議代表のあいさつ

 今日1月17日は、深刻な状況にある多くの被災者にとっては366日目の震災であります。震災直後から約10日間が緊急救命救出期、その後の約40日間が緊急救援期、その後約8ケ月が中期救援期と大ざっぱに分けられるでしょうか。ガレキの中からの脱出、避難所での難民生活、そして主に仮設住宅への転出。約3ケ月ほどの間に被災者は3つのコミュニティ(仲良くする処)を転々とさせられました。この精神的・身体的・社会的負担はこれらの人々に大きな苦痛を与えています。100人に上る孤独死、自殺が続いている静かな緊急事態の主なる原因がこの苦痛にあると思います。
 135万人を数えたボランティア活動は事態即応的に支援活動を継続してきました。最盛時にはNGO救援連絡会議につながったNGO・ボランティア団体・グループは約250、しかし現在は50団体ほどです。今この支援活動の内容についてその方向・方法を考えなければならない時ではないかと思います。今までは救急支援のためのケア、被災者へのエンカレッヂ(勇気づけ)が中心になっていました。1年を経て被災者は二分され復旧が何とか出来た人々と、とても復旧に至らない人々のかたまりになっています。この復旧に届かない人々の自立可能な条件整備、具体的には医療・職場・住居のための公的資金の導入などの社会行動が被災者のエンパワーメント(力を獲得すること)の為にいると思います。その意味で新しいボランティアの働きが求められているのですが、この動きを形成し継続する基盤が極めて不安定です。長い期間を要するこの基盤作りがボランティア元年と呼ばれた次の2年目の課題です。細く長い支援が求められています。

(1月17日記)

【外国人救援ネット代表 神田裕】

(鷹取カトリック教会 神父)

 地震で1年経ちました。この1年を振り返ってみますと、地震でたくさんのものを失いました。家とか、財産とか、友達や親戚、そして夢とか希望までも。けれども、絶望のどん底にいた私たちがここまで来ることができたのは、大切なものを得ることができたからです。
 それは多くの人たちに出会ったということです。出会いが勇気と希望を与えてくれて、豊かさまで与えてくれました。特にその出会いの中で一番大切だったのは、外国人との出会いでした。つまり、自分とは違う人との出会いです。”ちがい”というのは、ともすればマイナス面に捉えられがちですが、そうではありません。”ちがい”ということが、私たち自身を豊かにしてくれます。
 外国人救援の活動は、決してかわいそうな哀れな外国人のケアをしている集まりではありません。彼らとの出会いを通して豊かになって行きたいと思う人たちの「出会いの場」です。しかし、彼らのハンディキャップの大部分は人が作ったものだから、それを取り除きたいと願う人たちの「活動の場」でもあります。”まちづくり”を真剣に考えて行かなければならない時に来ています。”まちづくり”は”ひとづくり”です。特に神戸は国際都市といわれていますね。外国人と共に、”まちづくり”をして行くことによって、より豊かな神戸を作って行きたいと願っています。
 共に歩んで行きましょう。

(1月17日談)

【仮設住宅支援連絡会代表 村井雅清】

(阪神大震災救援ぐるうぷちびくろ代表)

 6300人もの犠牲者を出した阪神大震災から1年が経ちました。「やっと」という感じです。被災者が受けた心の傷は、はかりしれないものがあります。今日1月17日、報道ではいくつもの特集が組まれ、被災地では様々なイベントが実施されました。愛する家族や友人・知人を亡くした被災者も多いです。その被災者の人たちに「がんばれ、がんばれ」とエールを送っても、まだ1年なんです。「まだまだそっとして置いて欲しい。」というのが正直な気持ちでしょう。被災者の心の奥底にまで土足で踏みにじるようなことだけはして欲しくない。しかし確実に各々の側にいてあげることではないでしょうか?一定の距離を保ちつつ。
 私たち、救援活動を続けているものの役割は何なのか?改めて考える必要があります。1年で得た教訓は「顔の見える人と人とのつながりを作ること、たくさん友達を作ること」です。本当の人のつながりこそ、深い心傷も”いやす”ことができ、助け合うこともできるはずだと思っているのは、私だけではないでしょう。明日から367日目の阪神大震災が始まるのです。

(1月17日記、埼玉県浦和にて)

【やります】

☆「96バレンタインキャンペーン」

 横浜にある市民団体”草の根援助運動”では、バレンタインデーの義理チョコの代わりにカードを買ってもらい、収益金を途上国の生活向上に役立てようと5年前から”バレンタインキャンペーン”を行っている。被災地のグループにも世界へ目を向けて欲しいので、参加して欲しいと当事務局に要請があった。(1セット当たり200円の収益となる。)詳しくは事務所専従の大下さんまで。

〒235 横浜市磯子区中原1-1-28 神奈川県労働総合センター3F (TEL 045-772-8363 FAX 045-774-8075)

☆「つづら折りの宴」

 この1年を振り返り新たな年を共に過ごそうと、「つづら折りの宴」が催される。入場無料、雨天決行。
(c)1996阪神大震災地元NGO救援連絡会議 (デジタル化:神戸大学附属図書館)
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