KSKQ救援本部通信, No.4(1995.3.10号)

兵庫県南部地震障害者救援本部

1995.4.20. - 8p

請求記号:震災-7-z27


◆救援本部から

 救援本部では今名簿の整理に追われています。長期のボランティアの方2名、他障害者の仲間も手伝いに来てくれて毎日毎日名簿整理やニュース発送用の帯封作りを黙々とやっています。
 これまで多くの方がボランティアで働いてくれたり、カンパや物資を届けてくれたり、各地で支援の輪を広げてくれたりしていますが、9日現在、集約できている範囲でもその数2000件を越えようとしています。ワープロ・パソコン・手書きでの整理をやっていますので、重複する人も多いかと思いますが、これまでの活動や現地の状況なども報告しようとニュース作りをやっているところです。
 マスコミからの問い合わせも沖縄から北海道まで、全く知らない新聞社からもかかってきます、。もちろん、その際お願いするのは特に4月以降の長期のボランティアの募集とカンパの訴えですが、その成果は大きいです。「どこから情報を仕入れたのかな、ネットワークの広がりも大したものだ」と思っていたら、豊能障害者労働センターの方でマスコミに流してくれたそうです。
 先日、大坂市立浪速障害者会館(熱と光の家)に避難されていた障害者とそのお母さんが奈良の家族の元に引き上げられるということで、本部からも会館に行って来ました。本部では電話でお願いしただけで、全て会館にお任せだったのですが、避難されていた間の生活や医療の状況報告をお聞きし、会館の方々のさまざまな心配りに感動させられました。避難している1ヶ月の間に障害者の方の体の調子も良くなったとのことで、ご家族も「本当にお世話になりました。私たちよりも神戸に残っている人達はもっと大変。地震は空襲よりもずっと恐かった」と涙ながらに語られるのを聞いて、被災した人達の困難さとそれを支えようとする人のつながりに、力づけられました。

 ここ2〜3週間は、土曜日と日曜日の電話がだいぶん減ってきたので、その間にFAXで流れてくる膨大な資料の整理や片付けなどをやれるようになりました。と同時に、被災地からの要望もだんだん大きなもの(車や大型バス、プレハブの家)も増えてきました。が、ホント、なんとかなるものですね。もちろん、ただというわけにはいきませんが、ネットワークの力はすごい!
 このネットワークをさらに広げて、みんなの力で持続させていきたいです。
◇次回の救援対策会議は3月17日(金)午前10時30分から、
早川福祉会館にて。
ご参加よろしくお願いします。


◆兵庫県に第3次要望を提出

被災地障害者センターより

<内容>   (前文を省略し、要望項目のみ)

  1. 倒壊した作業所や危険家屋などで活動している作業所に対して、早急に公的な土地・建物などの貸与、または安全な仮設の作業場を提供して下さい。
  2. 再建が必要な作業所には、施設補助金制度を新たに創設し、適用を認めてください。
  3. 建物や諸設備の修復を必要とする作業所に対して、全面的な財政援助をして下さい。
  4. 震災のため収入減となった作業所に対して、緊急の財政的援助をして下さい。
  5. 地域社会の復旧に取り残されないために、小規模作業所の長期的な復旧支援施策を具体的に作成して下さい。
  6. 所属メンバーおよび職員の生活保障・身分保障を長期的な視点で示してください。


◆第2次要望(まちづくりの課題)の報告

 2/27に、兵庫県に提出・申し入れを行いました。県は「まちづくり条例」の徹底化をはかると言っていますが、それ以外には話を聞いたにとどまっています。計画策定段階に障害者当事者の参加を認めさせること、ソフト・情報面で要求を加えていくことを含めて、継続した取り組みが必要だと考えます。


◆兵庫県が「全身性介護人派遣事業」を制度化すると発表

 自主的な派遣事業は、月120時間、時間単価は1330円(今年度ホームヘルプ時間給)。姫路市ではニューライフネットワークが市と具体的な運営要綱の検討に入っている。


神戸市が私たちの要望に応じて、障害者・高齢者用の2次的仮設住宅(小規模避難所)をプランしたが、兵庫県もやっと「地域型仮設住宅」を打ち出した。まだ募集や入居条件は確定していないが、みんなで力を合わせた要求が実っている。


◆被災各地の新しい動き −地域で生きるパワー。これからがほんものの生活づくりだ!

神戸市
  • 被災地障害者センターが神戸市より避難者のための土地提供を受ける。長田区内の公園にプレハブを設置、生活作りをめざす。
  • 垂水養護学校へ避難したグループホーム「たろう」は3/5(日)に焼き肉パーティー。元気なんだな〜。
西宮市
  • 内部障害者の福祉を守る会も家庭訪問の活動を開始。
  • 草の根ろうあ者こんだん会は、3/5(日)西宮市立総合教育センターで散髪サービスを実現した。時間は、12時〜夕方。
尼崎市
  • 炊き出し活動をする障害者のガイドヘルプ派遣が打ち切られ、市への追求も行う。
宝塚市
  • 宝塚キントーンにFAXがついた。
    電話と同じ0797−86−1356

◆被災地障害者センターよりお知らせ


◆被災地の風景

 リーバイスから1600本のジーパンが届いた。
 ボランティアスタッフの男性宿泊所に使わせていただいている、デイケアセンター・ライフを日頃から手伝ってくれていた愛ちゃんも、被災にあった。全壊した家の1階に寝ていたお母さんとおばあさんは亡くなった。2階にいた彼女と弟が命を拾い、弟はクラスメイトの家で世話になっている。愛ちゃんは、育った蓮池小学校(神戸市長田区)で避難生活を送り、ライフに顔を見せ、ボランティアとの話が始まった。
 今困っていることはという問いに、「ジーパンが欲しい。LLサイズのおばさんたちが困っているから。神戸市に言うたら、避難者1600人分がそろわないと支給できないと言うんで、腹が立つ」。
 そのジーパンが何とかならないのか。愛ちゃんに届けたいと、提供者探しが始まった。今回は、民闘連、JPRNのチャンネルが生き、リーバイスが要請に応じてくれた。「蓮池小学校で避難生活を送っている友人の愛ちゃんに提供したい」、こんな言い方が理解されるかどうか心配だったが、一日、東京からトラックで1600本のジーパンが届いた。
 愛ちゃんは、専門学校のテストをクリアーするために友人の家にこもって頑張っている。「弟は高校をやめて、仕事をしてもらう。私は卒業して1年後に働き、弟を助ける」「被災孤児という言葉は嫌や。でも被災孤児であることを納得せんと元気になれへんのやなと思てる」という。避難所になっている小学校の校長は「涙もろくなったことと短気になったこと。人間が支えあう姿に涙もろくなった。行政とマスコミの姿勢に腹がたつ。ジーパン1600本、心とものと両方いただきます」と協力を約束してくださった。
 人と人と、つながりの中で、こだわりながら家庭訪問をし、当面の生活確保を支援する私たちの活動が、ひとつのドラマを作った。そこには、ほんとうに一人一人の、被災者の心のひびを埋める涙と、生きるよりどころのドラマがあるからだ。
 カゼと疲れで、よどみそうな日々の営みの中で、新しい活力が生まれた日だ。


◆救援アピールと連続大カンパ活動にご参加下さい!

3月12日(日)朝の11時〜夕方6時 天王寺
   (JR西口前と近鉄のエスカレーターとの間の地下通路)
 先週5日のカンパ活動では午前中に人が重なり、午後はかなり少なくなる状況になったため時間帯で調整したいと思います。
  A班 午前11時から午後2時30分
  B班 午後2時30分から午後6時

★参加集約 マッサク・松場まで (TEL06− 791−2212)
  (FAX 791−7993)まで。
   *早めにご連絡下さい。
☆以後の予定3/19日 なんば高島屋前・26日天王寺
☆3/5高島屋前のカンパ活動参加者は110名強でした。
 カンパ額は¥622,349.ご協力ありがとうございました。今後とも参加協力をお願いします。


◆がんばる心はつぶれへん!グッズ販売にご協力を!!

 えんぴつの家関係の協力者の企画で、オリジナルのTシャツ、ウインドブレーカー、トレーナー、バンダナなどのグッズ販売の取り扱いのご協力をお願いします。グッドデザイン、支援活動の一環でよろしくお願いします。
 申し込み及び販売についての問い合わせば被災者障害者センターまで。
  TEL 078−531−9538


◆この声とどきますか〜被災地へのメッセージ

★各地からの声
 被災障害者や関係者へのメッセージ、救援活動へのご意見などがよせられています。支援各団体の震災をテーマにした通信やチラシも増えてきました。


阪神・淡路大震災−被災された障害者のお役に立ちたい、Tシャツチャリティ

がんばる心はつぶれへん!!

 あの日、1月17日から、自分か何をしているのか解らないうちに、数日が過ぎた。
 気持ちにも、多少の落ち着きが戻り、こんなときに一番大切なことは、取り乱さず、毎日の生活と仕事をきちっとすること、と自分に言い聞かせながらも、いつも浮足立っていた。
 幸い被害は少しで済んだ。仕事(Tシャツのプリント)はできる。
 たくさんの、知人・友人が家をなくした。大変なのは誰しも同じだけれど、もし目を向けるのなら、より小さなもの、より弱いものに、目をやるべきだと、玉本格さん(社会福祉法人えんぴつの家理事長)をたずねた。
 数日後、玉本さんより、こころある画家だと紹介された、涌旭克巳さん(WAKKUN)を、元町のアトリエにたずねた。昔懐かしい、よさ時代のビルの一室にあるアトリエは、壁は崩れ落ち、室内のありとあらゆるものが床に散乱していた。そんな中で、彼は“ガッツやKOBE”と、暖かく力強い絵を描いてくれた。その絵に込められたエネルギーは、“ガッツやKOBE”とつぶやくたびに、ともすれば弱気に向かおうとする心に、“がんばる心”を充電し続けてくれた。

 非常時にはいつも、障害者を始め社会的弱者の信じられないような困難を目にし、屈辱のありさまを耳にする。
 テントの張られた公園の避難所、燃え続けるたき火に手をかざしながら、表情は分からないが、働きざかりの年格好のおじさんが、“車椅子にのってるから言うて何で優先やねん。困りはててんのは、ワシらかて一緒やんか、なあ。”
 ・・・・・・どうか許してあげてほしい。悪い人なんていない、冷酷とか非情とかいった言葉はあるけど、そんな人間なんているはずがない。みんな知らないだけ、ホントノコトを知らない人がいるだけ。そのおじさんが背負う責任の重さや、やり場のない怒りや悲しみ。障害をもちながら、退路もないところで、たくましく生きているあなたなら、わたしなんかよりも、きっと深く解ってあげられると思う。
 “人は誰でも老人という障害者になる”と好きな詩人か教えてくれた。それなら私もすぐに障害者になる。小さな子供も障害者。体の障害、心の障害、加齢による障害、障害と言うのなら、誰も彼も、みんな障害者。

 2月14日現在、被災地にある障害者作業所134ヶ所のうち、建物の全・半壊で、再開のめどがたたない施設が18ヶ所、作業を続けられているのは72施設だけだという。
 小さなプリント工場のオヤジが、何か役に立ちたい、何かお役に立たせてもらえないだろうかと、たくさんの人に助けてもらいながら、なんとかここまでやってきました。たいした事のできるはずもありませんか、あせらず、気負わずがんばっていこうとおもっております。ご協力よろしくお願いいたします。

この収益金は、被災地障害者センター(078−531−9538)をとうして、被災された障害者の皆さんのために使っていただきます。

申し込み先 被災地障害者センター
〒652 神戸市兵庫区湊町4−2−12 リピース湊川202号 Beすけっと気付
 TEL 078−531−9538  FAX 078−579−0213
主 催 「百番目のTシャツ」の会 (株)ぺぱあらんど内
 TEL 078一742−3950 FAX 078−742−3952
協 賛 社会福祉法人えんぴつの家
 TEL078−252−0109


◆収入現況

 カンパは1410件、約3510万円になりました(3/6現在)。このうち、各地で御協力いただいている街頭カンパ収益は、少なくとも500万円以上あります。津浪の被害にあった北海道・奥尻町にお住まいの方からもカンパをいただきました。宮城県のパン工場で働く皆さんからも届きました。三重県のある小学校の5年生の子どもたちが、集めては送ってくれています。ありがとうございます。各種団体や企業にも、もっと支援の輪を広げていきたいと思います。
 救援本部で統一のお願い文書を作っています。支援金要請先についてお心当たりをお知らせ下さい。また、それぞれでご活用下さい。ご連絡があり次第送ります。

◆支出現況

 総額約540万円になりました。被災した障害者の自立拠点活動に、どうしても必要で手に入りにくい物資(中古自動車、中古バイク、ワープロ、プロパンガスボンベなど)を、購入しました。同じ事情で、印刷機一式(リソグラフ)をレンタルしました。


(c) 1995兵庫県南部地震障害者救援本部 (デジタル化:神戸大学附属図書館)
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