KSKQ障害者救援本部通信, No.5(1995.3.15号)

兵庫県南部地震障害者救援本部

1995.4.30 - 8p

請求記号:震災-7-z27


元気をとりもどしつつある被災地により多くのご支援を

 被災地障害者支援のためにご協力をいただいている多くの皆さん、本当にありがとうございます。同時に、せっかくご協力の申し出をいただきながらも、こちらの力量がないばかりに、その申し出を実らせきれずにいることをお詫びさせていただきます。
 大地震が起こって2ヵ月が経過し、被災地の人たちの動きも徐々に生活化してきています。現地の支援センターは、日々目まぐるしく変わりゆく被災地の状況に合わせ活動をしています。毎日の活動が終われば打ち合わせを行ない、いろいろと意見交換をした後で、翌日の動きと役割分担を決めていくということを繰り返しています。
 今では50人以上の人間が寝泊りをし、活動をしていますが、寝泊りができる場所にも限りがあるため、救援本部としてはどうしても長期ボランティアを優先に現地に入り込んでいただくようにしているのが実情です。
 そのようなことから、短期間のボランティア登録していただいている方について、連絡がきちんとできていないことをとても心苦しく思っています。
 しかし今後も息の長い支援体制が必要であり、状況はどんどん変わっていますので、何かご協力をいただきたいことがありましたら、勝手ながらまた電話をさせていただくことになると思います。その節はどうかご協力をいただけますよう、よろしくお願い致します。
 また、その他にも様々なお願いをこの通信を通じてさせていただきますが、事務処理・整理の余裕がもてず、いろいろな方に一括して発送しております。すでにご協力をいただいている方についても、重ねてお願いすることになってしまう場合もあるかと思いますが、どうぞお許し下さい。

急がれる住宅問題

 大阪の早川福祉会館の借用期間も1ヶ月延長をしていただいたとはいえ、3月25日までと目前になってきました。このほかの地区も含め大阪、被災地などで避難をしている人、取り壊しをしなければならない家にすんでいる人などで、多くの介護を必要とする人は仮設住宅に住むというわけにもいかず、緊急にケアつき住宅のようなものを準備する必要が出てきました。
 神戸市から土地についての借り受はできはたものの、建物その他付随するものについては、こちらがすべてを準備しなければいけません。現在3ヶ所の公園に随時プレハブを立てる予定で、第1棟目は3月11日に建設し、現在内装・備品等をそろえることに追われています。もちろん個々が永住の場ということではなく、仮設住宅、高齢・障害者向け住宅も有効に活用していく予定です。

変わりゆく要求−個別訪問の中で

西宮の福祉事務所では3月になってようやく障害者・高齢者の個別訪問をはじめたとのことですが、こういった面でもボランティアによる動きの方が随分と早くなっていて2月中旬頃から被災地の現地拠点では、多くのボランティアと共に1軒1軒を尋ね歩き、個別な要求に応えていっているのが現状です。
 家庭訪問をしていく中で出てくる要求も時の流れとともに、変わっていきます。当初は衣類など生活にまず必要な物資の要求が多かったのですが、今では電気、ガスの復旧に伴い様々な電化製品の要求、家の片付け、修復依頼などが多くなっています。

 また避難所にいる障害者などは、精神的なストレスも多く外出介護を必要としていたり、自宅にいる人でも交通機関が寸断していることで従来のように移動ができず、送迎ボランティアをしてほしいという声も多くあります。
ガスの復旧が遅れそうな中で、入浴サービスは今後も引っ張りだこの状態になりそうですが、住み慣れた土地を離れ新たな生活をはじめた人も多く、そういった人達がどういう状態になっているかまでは、今のところつかむことができていません。

支援センターの役割はより重要に、人手は4月からがピンチ

 自宅で何とか生活している人も含め、何等かの介護を必要としている障害者は多く、それは地震によって新たに必要になった部分だけでなく、従来から必要であった介護が失われてしまったこともあります。行政のヘルパー派遣はいつになったら従来通り受けられるかわかりませんし、行政の枠内だけの派遣で生活が成り立たないことはどこの地区についてもいえることだと思います。
 その様なことに対応するためには、介護支援センターの役割を持った組織を自分達で作らなければなりません。住宅手続や、借家を追い出されそうになった人への相談機能、介護意外にも様々な形で一時的な応援が必要となった場合に支援ができる体制作りなどが必要です。しかし、現在被災地障害者支援センターに来ている大半の人達は学生で、4月になれば学校へ戻らなければなりません。
 今後は週2日3日でかまわないから長期的に関りのもてるボランティアへと、今やっていることなどを移行しなければなりません。

見舞金配分と今後のより具体的な支援を目指して

 大阪では早川福祉会館内の避難所運営の他、現在も現地では調達しにくい物資(自転車、バイク、車、事務機器など)の供給や現地ボランティア派遣についての調整、様々な団体、個人との事務連絡、現地で必要な経費、および今後作業所等の復興に必要な支援金集めなどを行っていますが、今後も現地にもっとも近いところでの支援体制を続けていかなければなりません。
 個人個人で困っている状態は十分知りながらも、わずかばかりのお金を配ってしまうだけで解決のつかないことも多く、取り敢えずは現地の支援センターや障害者団体を支援することで、より多くの障害者の手助けになればと考えています。
 4月中にみなさんからいただいた支援金の一部を見舞金として障害者団体にお渡しすると共に、今後の復興についての一番の課題などを各団体からお聞きする予定になっています。もちろんどの障害者団体に属していない障害者でも、私達の活動が広まる中で随時連絡をもらっていますので、今後も被災地障害者支援センターが、個別に応援を続けていくことに変わりはありません。
 ボランティアで活動をしてもらうことを基本とし、いただいた物品をフルに活用しながらも、障害者支援経費はすでに2ヶ月で500万円を越えており、今後の維持費はもとより各障害者団体やそれらにかかわる障害者等が、本格的な復興に向けて動きだしており、まだまだ多くのお金も必要としています。
 けれども単に大変だということでお金集めをしていくのではなくて、被災地でがんばっている障害者やそれを支えていっている人たちの思いを全国につたえ、被災地を通じて本当に心の通いあうネットワークづくりをしながら、被災地復興への石段を1歩1歩登っていきたいとおもいますので、どうぞみなさん今後とも息長いご支援をよろしくお願いいたします。


阪神・淡路大震災−被災された障害者のお役に立ちたい、Tシャツチャリティ

がんばる心はつぶれへん!!

 あの日、1月17日から、自分が何をしているのか解らないうちに、数日か過ぎた。
 気持ちにも、多少の落ち着きが戻り、こんなときに一番大切なことは、取り乱さず、毎日の生活と仕事をきちっとすること、と自分に言い聞かせなからも、いつも浮足立っていた。
 幸い被害は少しで済んだ。仕事(Tシャツのプリント)はできる。たくさんの、知人・友人が家をなくした、大変なのは誰しも同じだけれど、もし目を向けるのなら、より小さなもの、より弱いものに、目をやるべきだと、玉本格さん(社会福祉法人えんぴつの家理事長)をたずねた。
 数日後、玉本さんより、こころある画家だと紹介された、涌嶋克巳さん(WAKKUN)を、元町のアトリエにたずねた。昔懐かしい、よき時代のビルの一室にあるアトリエは、壁は崩れ落ち、室内のありとあらゆるものが床に散乱していた。そんな中で、彼は“ガッツやKOBE”と、暖かく力強い絵を描いてくれた。その絵に込められたエネルギーは、“ガッツやKOBE”とつぶやくたびに、ともすれば弱気に向かおうとする心に、“がんばる心”を充電し続けてくれた。

 非常時にはいつも、障害者を始め社会的弱者の信じられないような困難を目にし、屈辱のありさまを耳にする。
 テントの張られた公園の避難所、燃え続けるたき火に手をかざしなから、表情は分からないが、働きざかりの年格好のおじさんが、“車椅子にのってるから言うて何で優先やねん。困りはててんのは、ワシらかて一緒やんか、なあ”
 ・・・・・・どうか許してあげてほしい。悪い人なんていない、冷酷とか非情とかいった言葉はあるけど、そんな人間なんているはずがない。みんな知らないだけ、ホントノコトを知らない人がいるだけ。そのおじさんか背負う責任の重さや、やり場のない怒りや悲しみ。障害をもちながら、退路もないところで、たくましく生きているあなたなら、わたしなんかよりも、きっと深く解ってあげられると思う。
 “人は誰でも老人という障害者になる”と好きな詩人か教えてくれた。それなら私もすぐに障害者になる。小さな子供も障害者。体の障害、心の障害、加齢による障害、障害と言うのなら、誰も彼も、みんな障害者。

 2月14日現在、被災地にある障害者作業所134ヶ所のうち、建物の全・半壊で、再開のめどかたたない施設が18ヶ所、作業を続けられているのは72施設だけだという。
 小さなプリント工場のオヤジが、何か役に立ちたい、何かお役に立たせてもらえないだろうかと、たくさんの人に助けてもらいながら、なんとかここまでやってきました。たいした事のできるはずもありませんが、あせらず、気負わずがんばっていこうとおもっております。ご協力よろしくお願いいたします。
この収益金は、被災地障害者センター(078−531−9538)をとうして、被災された障害者の皆さんのために使っていただきます。

申し込み先 被災地障害者センター
〒652 神戸市兵庫区湊町4−2−12 リピース湊川202号 Beすけっと気付
 TEL 078−531−9538  FAX 078−579−0213
主 催 「百番目のTシャツ」の会 (株)ぺぱあらんど内
 TEL 078一742−3950 FAX 078−742−3952
協 賛 社会福祉法人えんぴつの家
 TEL078−252−0109

[注文書あり 省略]


この文章は、「被災地障害者センター」から送られてくる通信=
「障害者による復活・救援活動《兵庫県南部地震情報》」より抜粋させて頂きました。

◆被災地の風景

 リーバイスから1600本のジーパンが届いた。
 ボランティアスタッフの男性宿泊所に使わせていただいている、デイケアセンター・ライフを日頃から手伝ってくれていた愛ちゃんも、被災にあった。全壊した家の1階に寝ていたお母さんとおばあさんは亡くなった。2階にいた彼女と弟が命を拾い、弟はクラスメイトの家で世話になっている。愛ちゃんは、育った蓮池小学校(神戸市長田区)で避難生活を送り、ライフに顔を見せ、ボランティアとの話が始まった。
 今困っていることはという問いに、「ジーパンが欲しい。LLサイズのおばさんたちが困っているから。神戸市に言うたら、避難者1600人分がそろわないと支給できないと言うんで、腹が立つ」。
 そのジーパンが何とかならないのか。愛ちゃんに届けたいと、提供者探しが始まった。今回は、民闘連、JPRNのチャンネルが生き、リーバイスが要請に応じてくれた。「蓮池小学校で避難生活を送っている友人の愛ちゃんに提供したい」、こんな言い方が理解されるかどうか心配だったが、1日、東京からトラックで1600本のジーパンが届いた。
 愛ちゃんは、専門学校のテストをクリアーするために友人の家にこもって頑張っている。「弟は高校をやめて、仕事をしてもらう。私は卒業して1年後に働き、弟を助ける」「被災孤児という言葉は嫌や。でも被災孤児であることを納得せんと元気になれへんのやなと思てる」という。避難所になっている小学校の校長は「涙もろくなったことと短気になったこと。人間が支えあう姿に涙もろくなった。行政とマスコミの姿勢に腹がたつ。ジーパン1600本、心とものと両方いただきます」と協力を約束してくださった。
 人と人と、つながりの中で、こだわりながら家庭訪問をし、当面の生活確保を支援する私たちの活動が、ひとつのドラマを作った。そこには、ほんとうに一人一人の、被災者の心のひびを埋める涙と、生きるよりどころのドラマがあるからだ。
 カゼと疲れで、よどみそうな日々の営みの中で、新しい活力が生まれた日だ。


たくさんのカンパをありがとうございます。
3667万円が集まっています。
これから、いよいよ百万円単位でお金が要るようになってきます。

 2月に入ってまもなく、「シマバラシチョウ」という名前で銀行振込みがありました。その時わからなかったのですが、しばらくして島原市役所から「市内の作業所に委託された義援金を送った」という手紙が来て驚きました。北海道・奥尻の方からも届きました。「本当にひとごとでない」という障害者やその家族、年金生活だから気持ちだけと言われる方、被災地域の人もかなりおられます。そして、学校や職場、地域のいろいろな集まり、労働組合や市民団体、支援コンサートの収益、街頭募金、小学生まで、それぞれの方が何ができるか考えて呼びかけ、集めてくださっているようすが伝わってきます。
 救援本部では、さらに支援を広げるため、今はとくに大企業むけのお願いの準備をしています。その他、団体むけの依頼を進めています。
※お願い文書の送り先をご紹介下さい。また、それぞれでご活用ください。ご連絡ありしだい送ります。
※郵便振替分は領収証をお送りしています。銀行振込の場合で領収必要な方はご連絡下さい。

 物資の提供も各種いただいていますが、手に入りにくく急いで必要なものについては、被災地や避難先からの要請に応じて購入してきました。これまで金額の大きいものは、携帯電話、通話料金、バイク(中古)、車(中古)、プロパンガスボンベなどです。
 そして、カンパと被災者・関係者の尽力のおかげで被災地の公園にプレハブ住宅が2棟建つことになり、その他にも建設計画があります。プレハブ住宅1棟で80万円(最低)、内装や備品もふくめて、物品や、大工さんなど専門技能でのご支援もお願いしますが、いよいよ百万円単位でお金も払い出すようになってきます。

 たくさんのボランティアさんが働いてくださっています。「ひと」の関係では、これまで計上しているボランティア保険のほか、日々のぼう大な電話や事務作業を処理し、救援活動の全般を把握するための人件費が必要です。それぞれの仕事を抱えた人が集まっている、救援本部の今の態勢では、不眠不休でもとうてい追いつきません。募集その他検討中のため、次回のお知らせではご報告できると思います。

 おおざっぱですが、現況を掲載します。「雑費」は上にあげたようなモノが多く、「その他」は被災地の拠点活動支援および避難先の必要経費や、保険などです。

総計  1995年3月10日時点
支出総計 5,390,385
収入総計 36,674,350
収−支 31,283,965
内容
  食費 雑費 通信費 その他 カンパ 他収入
1月 22,791 62,134 228,744 357,830 4,534,481 0
2月 0 395,125 1,351,049 1,525,043 27,842,055 568
3月 19,853 1,288,434 59,822 79,560 4,297,246 0
計1 42,644 1,745,693 1,639,615 1,962,433 36,673,782 568
 

障害者救援本部通信送付について 

 この通信は、これまで様々な形でご支援・ご協力頂いた方や関係者(団体)等にお送りさせていただいています。「義援金」や物資をお送り頂いた方、被災地や大阪の避難所でボランティアとして働いて頂いた方、また、せっかくボランティアとして登録頂きながら調整や受け入れ能力がなく未だご活躍頂けていない方々にもお送りしています。
 日々の救援・支援の活動に追われ、名簿の整理ができきれていません。現在、ワープロ・パソコン、手書きと、分担して名簿を整理しているところですが、いずれ、すべてパソコンで処理できるようにしたいと思います。それまでは、中には2通・3通と重複して届く場合があるかもしれませんが、その際は返却・連絡は不要ですので、お知り合いの方にお渡し下さい。
 なお、様々な名簿での発送をしておりまして、場合によってはご迷惑をおかけすることがあるかもしれませんが、どうぞお許し下さい。 


(c) 1995兵庫県南部地震障害者救援本部 (デジタル化:神戸大学附属図書館)
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