KSKQ障害者救援本部通信, No.25(1996.11.25号)

兵庫県南部地震障害者救援本部

1996.11.20. - 8p

請求記号:震災-7-z27


救援本部第4次支援金の配布終了
被災地障害者センター3年目も活動継続決定

 被災地内の障害者支援活動を行なっている関係団体で構成されている被災地障害者センター(神戸市兵庫区、福永年久代表、加盟42団体)が、11月2日第7回全体会を開催、この場で救援本部の第4次支援金が関係各団体に手渡されました。また、体制の変更をともなうものの、現在神戸と西宮の2カ所に拠点を置いて活動を行なっている被災地障害者センターは、3年目も活動を継続することが確認されました。

各センターの活動方針は次のとおりです。

■被災地障害者センター・神戸

(1) ボランティアセンター活動の強化
ボランティア講座等の開催、宣伝をとおしてボランティアを集める。
ボランティア向け通信の発行。ボランティアルームの開設、コーディネーター常設等活動の円滑化を図る。
(2) 障害者市民の地域生活支援と権利の実現のために
地域生活支援…ボランティア派遣、自立生活センター・神戸「Beすけっと」の有料介護派遣紹介、定期訪問・相談体制の確立、緊急時対応の体制検討、手話通訳・点訳者・知的障害者のアドバイザー育成と派遣システムの体制、有料移送サービス、ピアカウンセラー育成講座など、可能な部門の事業化
障害者の権利の実現のために…情報提供、行政手続きのアドバイス・同行、人権擁護活動
(3) 生活のゆとりと豊かさをめざして
「たまり場」「旅行」「子育てを中心にした関係情報」「自立支援事業」「情報発信」などの企画の実現
(4) 通信発行・情報提供
通信を引きつづき発行。メディアにとりあげられない被災障害者の情報発信しつづける。
(5) 事務所移転、「たまり場」拠点の継続
来月12月・事務所を神戸市長田区片山町に「Beすけっと」とともに移転。「たまり場」としての機能も生かしていく
(6) 財政活動
協力団体・個人への支援要請、百番目のTシャツによる営業販売を継続、企業財団等の活動・事務機器購入の助成を求める。
有料移送サービスの調査研究のように、協力団体と連携して事業化できる部門を検討する。 以上、最大限の職員スタッフの確保、効率的な事業の展開ができるシステムの実現に努力する。

■被災地障害者センター・西宮

(1) 3月以降は活動スタッフの人数を減らし、相談事業と障害者の自立をサポートする「自立センター」に変え、活動を継続していく。
(2) 財源確保のため、グッズ販売や高齢者、障害者の衣料の販売を行なう。
(3) 新たにボランティアを集め、自立障害者とともに協力しあい事業を行なっていく一方で、障害者自立支援事業として自立障害者10人程をサポートできる体制をつくり、運営費を確保していく。
(4) ニュースを発行し全国にも発信、阪神障害者解放センターと共存できる組織体制にし、障害者の自立をはかっていく。

 以上のように、両センターとも地域により定着した形で、長期的展望をもちながら活動を継続していくことになりました。震災からの復興は、実は震災前からの地域の障害者支援体制の底上げに他ならない、ということなのだと思います。皆さんの変わらぬご支援をお願いしたいと思います。

障害者救援本部第4次支援金交付のご報告

【交付総額】1010万円
【交付団体】被災地障害者センター関係の以下29団体
みんなの労働文化センター、兵庫草の根ろうあ者こんだん会、(有)のぞみ作業所、サニーサイド作業所、クレヨンハウス作業所、障害児・者と共にあゆむ虹の会、第1キントーン作業所、兵庫青い芝の会内部障害者の福祉を守る会、オーロラ作業所、麦の家、伊丹バリアフリー化を進める市民の会/ドリームポップコーン、トライアングル作業所、障害者情報クラブ、宝塚キントーン作業所、あかねハウス作業所、ほのぼの、ぶったあ作業所、(福)えんぴつの家、シティライト作業所、兵庫県スモンの会、長田むつみ会、ハートワーキングクラブ作業所、自立生活センター・神戸「Beすけっと」、ピータンハウス作業所、くららベーカリー作業所、神戸(長田)車イスマップを作る会、地域ケアセンター、パセリジュニア作業所


あふれる叫び パート2

前回にひきつづき、被災地の各拠点の現状を救援本部第4次支援金の申請書より掲載します。

<(1)申請の目的・理由 (2)震災の影響 (3)全国に訴えたいこと>

【川西市】
●川西市障害者共働作業所あかね「障」7名、その他2名
(1) 兵庫県川西市では知的障害者に対するガイドヘルパーの制度がありません。1994年11月より民間のガイドヘルプ事業を行い、自主運営をしていますがその資金づくりに苦労しています。作業所に来ている人達が休日を過ごすためにはヘルパーの力がたよりになっています。制度化するための運動と並行して自力によるこの事業を継続させたいと思っています。
(2) 震災から月日がたつにつれて、物理的な面の復興は少しずつ進んでいるようですが、精神的な部分のケアーが大切ではないでしょうか。特に高年齢の方々にとって、これからの生活がみえにくいことと、今まで培った人間関係の断絶など、立ち直るためにまだまだ苦しいものがあるようです。

【神戸市】
●共働作業所パセリジュニア「障」5名、職員2名
(1) リフトカーによる送迎、食事等生活の介助が必要な人ばかりの作業所を震災後、進路がみつからぬという人たちのニーズにこたえてオープンさせました。2人の職員とボランティアによって支えられていますが、神戸市よりの補助金だけでは成り立ちません。花を売ったり、Tシャツを売ったり、様々な努力をしています。
(2) 新長田北部地区区画整理該当地です。いつ、どういう形で仮設へ移りその後何年たてば恒久建築に入れるか見通しがたちません。「なんとかなるさ」という楽天性が活動の源です。みんな不安ですが明るく生きています。
(3) 季節に応じて花が入ります。店へ来て花を買って下さい。私たちの心と共にあなたの庭をかざります。

●ピータンハウス「障」10名、その他1名
(1) 震災直後の区画整理により、長田より須磨に移転し、その結果、家賃が上がって来年より傾斜家賃になるので申請しました。どこまで運営できるか、今までの場所より家賃が10倍にあがるので、1ヶ月が過ぎるのが早く、不安で、心配です。
(2) 私たちのピータンハウスは20年前から小さなボランティア活動をしながら、みんなが集い働く場所を作りたいと思い、やっとオープンの日、地震で全壊になりましたが、全国のみなさんの応援と協力のおかげでやっとこの10月で1周年を迎えることになり、ありがとうございました。「障害のあるなしに関わらず、老いも若きもピータンによっといで」のキャッチフレーズでみんながんばっています。近くに来られたら立ち寄ってください
(3) 会や団体の動きは、ボランティアの手助けは得られますが、個人の生活は、地震の後、地元のボランティアやヘルパー不足の日常生活の日々です。いつ、また起こるかわからない地震の(全国的)起こったとき、私たちや、高齢者への対策を自分自身のこととして考えてもらいたく思います。

●ハートワーキングクラブ「障」18名、その他2名
(1) 無認可の小規模作業所です。震災直前に開始した作業所ですが、震災により全壊。昨年11月に、各方面からのご支援により喫茶店とさおり織りの作業所として活動を再開しました。しかし周辺地域の立ち上がりは遅く、喫茶店経営は苦しいものがあり、運営費もままなりません。
(2) 多くの障害者が震災により長田区外の仮設住宅に行きました。区外の仮設に行かれた障害者の多くは単身で生保です。いまだに区外の仮設から高い電車賃と長い時間をかけて元いた作業所に通っています。やはり地元がいいと言います。早く帰れる日が来るのを待ち望んでいます。
(3) これまで全国各地の団体からご支援をいただきました。中には震災後初めて聞く名前の団体もありました。未知の人々から心あたたまるご支援をいただき本当にありがたく思っています。


防災アンケートの結果から

 救援本部通信9月号でお願いした防災アンケートに、編集部の予想をはるかに超える多数の方からお答えをいただきました。

*回答総数…………………………… 105人
*回答いただいた方の所在地……… 北海道から沖縄まで31都道府県
*回答いただいた方の障害の有無…… ある34人→うち家族に障害者がいると答えた方5人、ない69人、不明2人
*障害があると答えた方の障害の内訳… 脳性マヒ2人、内部障害3人、下肢障害4人、四肢障害5人、神経性1人、
視覚障害5人、脊髄損傷1人、頚髄損傷2人、不明11人
*障害があると答えた方の障害等級… 1級17入、2級6人、5級5人、療育手帳B22人、不明4人
*回答いただい方の性別……………… 男44人女61入
*回答いただいた方の年令…………… 10代3人、20代17人、30代21人、40代27人、50代12人、60代14人、70代4人

Q1.災害にあったときの避難所をごぞんじですか?


Q2.あなたの避難所に指定されているところは、障害を持った人にも使いやすいですか?


Q3.地域の防災計画の見直しは進んでいますか?



Q4.あなたの街の防災計画策定に障害・高齢当事者が参加していますか?

●問1〜4までに寄せられたコメントから(一部抜粋)

病院で透析室に勤務している。透析の患者と一緒に災害時、自分の身を守ためにどのようなことをするとよいのか等を一緒に考えている/避難所になっている場所(学校)は知っていても中に入る機会がないため設備がどういうものなのかわりません/公報で読んで場所は知っているがひとり歩きできないから手引きが必要/子供が通学している学校が避難場所なので設備の面では不安はないがそこまでどうやって行けるか不安。障害のある子をかかえては身動きできない/避難所にはスロープ、トイレはあるが多人数が同時に使用はできない/小平市の「福祉の街づくり条例」の委員会に障害者自身も参加させてほしいと申し入れましたが断られました。そこでその条例にもりこんでもらう文面を市民案として出そうと、今市民にアンケートをとっているところです/防災計画の見直しは着々と進んでいますが障害者は参加していません。当事者の意見はきくべきだと思います

Q5.災害にあったとき、安否確認をしてもらえる(しあえる)人がいますか?

Q6.その人とはどれぐらい離れていますか?


●問5,6に寄せられたコメントから(一部抜粋)

年1回消防団員の方の見回りがあるのみ。事故が発生しても福祉ヘルパーも保健婦も民生委員も無視している。ボランティア的な人はいても応急処置も連絡連携の取り方も知らない人が多いので、大変不安で毎日緊張の連続の中で暮らしている。週1回でも安否のTELでもしてもらえないかと思う/施設入所のため災害時のことは施設に一任/行政は自衛消防隊などといういかめしい戦時体制にも通用するようなこわい名前の組織づくりをしょうとしたりする。内実はきわめて形式的であるのに抗議してひっこめさせたが、一方的危機管理体制には戦時中を思い起させる/一番こわいのは100km離れれている柏崎原発の事故です。風下になるのです/地域の人々とのかかわりを日頃から心がけ息子(脳性マヒ)を目立たせているので人的な心配はあまりしていません/私が住んでいる安城市も防災計画や上下水道整備は後回しにされ道路拡張とテーマパーク建設に金を注ぎ込んでいます。もともとは血縁関係者の地域定住率が高いと思われるこの地域でも、高齢者のマンション一人暮らしが増えはじめているようだ/民生委員、教育委員、ヘルパーが安否をすると防災計画にうたってあるが民生、ヘルパーの仕事内容にも入っていないし話がとおっていない

 この他、各地の取組みや別の被災体験など数々の貴重なコメントをいただきましたが、紙面の関係で掲載できないのが残念です。また救援本部への励ましのメッセージもいただきました。皆さん、ご協力ありがとうございました!


聞こえますか 県外避難所の叫び

市外・県外避難者ネットワーク(街づくり支援協会)事務局長 中西光子

 阪神淡路大震災によって市外県外へと避難した人々へせめて心の繋がりだけでもとネットワークりんりんへの参加を呼び掛けて15ヶ月が経ちました。知らない街で暮らす不安、寂しさ、生活苦など相談が寄せられました。
 相談の対応におわれるある日、愕然としたのです。一人暮らしや夫婦だけの高齢者、障害者、病人を抱えた家族があまりにも多いのです。なぜ弱者と言える人々がこれほど市外・県外にでているのか。なぜ仮設住宅に入居できず、市外・県外の民間住宅で家賃の高負担に苦しんでいるのか。仮設住宅入居募集において弱者優先だったのではなかったのか。現在、家賃減免のある復興公営住宅に応募を繰り返しても落選しているのはなぜか。
 被災直後の避難所での状態を思い返すと答えは簡単でした。当時学校など避難所は足の踏み場もないほどで、入りきらない人は廊下にあふれ、水の流せない便所、後にできた仮設の便所も障害書の使用できるものではなかったし、その他数え上げればきりがないほど過酷なもので、とうてい弱者が生存競争に耐えられるものではなかったのです。なにかのつてをたより、また自力で一時避難のつもりで疎開し、それが長期化しています。今になれば行政の壁によって、県内では受けられる民間賃貸住宅の家賃補助などの支援施策からも県外の避難者は取り残されているのです。
 KYさん(右半身障害1級)。現在東大阪市の賃貸住宅に、行き場に困っていた高齢のろうあ者の女柱を引き取って暮らしています。入居期限の約束の日が近づいていますが、望みをかけていた復興住宅の申し込みも落選しがっかりしています。MKさん(視力障害1級)。震災でご主人を亡くし、子ども2人をつれて天王寺の賃貸マンションに避難。母子家庭で自立するためには、早くマッサージの仕事を再開したかったのです。当時仕事場に通う交通機関が分断されており、大阪に出なければならなかったのです。家賃は約13万円。当時、賃貸住宅を選べる状況ではありませんでした。現在の収入は家賃とほぼ同額。MKさんは仕事場に通える範囲の復興住宅を希望していますが、なかなか思うようにいきません。TYさん(64才)。妻72才(視覚・肢体障害)、娘36才(知的・視覚障害)の他、34才の息子は震災のショックでノイローゼに。避難所生浩に疲れはて道後温泉の招待に応じたものの、帰ろうとしたときは元の避難所に自分たちのスペースはなく、そのまま松山で世話になり、先行きを考えて定住を決めました。この他、復興住宅に応募したくても住宅環境がわからず、エレベーターがないところでは住めないと考え込んでいる高齢者の方等々…
 このような人々がたくさんかぼそい悲鳴をあげながら市外・県外で暮らしています。震災から1年10ヵ月が経ち被災地も行政も落ち着いてきた今、それぞれの弱者に配慮した行政の支援があって当然だと思います。見えないところにいる人々の、声なき声を汲み取ってこそ住民主体の行政なのですから。

◆市外・県外避難者の名簿作りを進めています。情報をお寄せ下さい◆
◆相談にのってくださるケースワーカー、臨床心理相談員の方ご連絡ください◆
【お問合せ】市外・県外避難者ネットワーク事務局(電話06−443−3808,フリーダイヤル0120−36−8833)


救援本部会計報告

救援本部の第4次支援金の配布も終了。しかし各地域拠点の報告から、本当に息長い支援の必要性をあらためて痛感しています。皆さんの変わらぬご支援に感謝します。

収入のうちカンパの内訳 支出

★支出について
救援金…95年度は義援金13グループ計824万のほか、震災直後の避難生活経費・各地域での拠点建設運営への支援金。96年度は、第三次支援金6団体に計1280万円、第四次支援金を現在27団体に計930万円配布。
救援物資…プレハブ3件建設とリース料金・移転内装設備費・車3台・バイク5台・印刷機・ワープロなど。
お見舞金…42団体分、1260万円
人件費…95年度中は、介助派遣・情報発信・物販・企画etc再生めざして常時17名が有償で活動(兵庫14名・大阪3名)。96年度は本部としての人件費支出は大阪3名分(1名は兵庫と兼務)。兵庫ではカンパなどを財源として11名。(神戸7名・西宮4名)
電話料…95年度中は、被災地に携帯電話5台と毎月の通話料金など。96年6月以降は本部事務所の電話代・FAX通信ネット経費
★収入について
 街頭カンパは救援本部主催以外の街頭カンパも含みます。通信購読カンパ(千円)は個人・団体・企業のどれかに算入、用途は救援金カンパと同じです。


THE・街頭カンパ

救援本部主催

11月3日(日)天王寺
◆参加者 のべ14人
◇募金領
◆募金累計
¥150,935
¥8,570,102

 午前中は4名しかいなくて、どうなることかと思っていましたが、少しずつ人数が増え、活気が出てきました。金額も少ないだろうと思っていましたが、何とか15万円カンパが集まり、ホッとしています。救援本部の拡大事務局会議において、街頭カンパは次回12月1日を最終にすることが決定され、いよいよあと1回です。参加ご協力できる方は、どうかよろしくお願いします。皆さん、本当にご協力ありがとうございました!(共同連 柿久保)

 2年近くにわたって行われてきた救援本部主催の街頭カンパは、12月で終了です。毎月、多くの方々に支えられここまで継続することができました。心からお礼申し上げます。
最後のカンパは、12月1日(日)午前11時から午後6時まで、天王寺駅長室前です。
 ぜひ、多くの方がお集まりください。
 また、全国各地でカンパ活動にご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました。


もよおしのご案内

11月26日(火)  兵庫県とのオールラウンド交渉午前10時〜ひょうご共済会館(元町駅山側10分)
11月27日(水)  救援本部総会午後2時〜総合福祉センター(JR芦原橋駅)
11月30日(土) 〜12月1日(日)
   障害者政策研究集会第2回全国集会
 第3回知的障害者全国交流集会イン神戸 しあわせの村
12月1日(日)  救援本部主催街頭カンパ(最終回)午前11時〜午後6時
 地下鉄天王寺駅長室前
12月7日(土)  障害者問題を考える兵庫県連絡会総会午前10時半〜
 人権シンポジウム午後1時〜場所未定
12月10日(火)  災害時のストレスマネージメントとデイフリーフィーリング
 午前10時〜神戸YMCA
 問合せ/曹洞宗国際ボランティア(電話078−512−3703)
1997年1月18日(金)〜19日(土)
   市民とNGOの「防災」国際フォーラム
 問合せ電話フォーラム事務局(078−578−6921)
 

総会のご案内
大幅な体制変更にともなう話し合いとなります。
関係者の皆さんのご参加をお待ちしています。
■日時 11月27日(水)午後2時〜5時
■場所 総合福祉センター(JR環状線芦原橋10分)
■内容
(1)救援本部の活動・会計報告
(2)被災地障害者センターの活動・会計報告
(3)救援本部のこれからの活動について
 

(c) 1996兵庫県南部地震障害者救援本部 (デジタル化:神戸大学附属図書館)
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