VNN : 市民・連合 = Volunteer Network News, 創刊号1

市民・連合ボランティアネットワークセンター事務局編集

発行:東京: スタジオ‘I’生活支援ネットワーク, 1995.[8]. - [8]p ; 26cm

請求記号:震災-7-z31


蒔かれた「復興」のタネ

ひまわりが咲く集合仮設住宅
[写真あり 省略]


◆継続的な支援の輪を拡げよう◆

代表幹事
高畑敬一(WACアクティブ クラブ会長)
堀田 力(さわやか福祉財団理事長)
鷲尾悦也(連合事務局長)

 阪神・淡路大震災から7か月が過ぎようとしています。いま、被災地では復興に向けて多くの人たちや各機関の懸命の努力が続けられています。ただ被害は余りに大きく、本当に復興するには10年、20年という単位の歳月が必要とされるでしょう。
 あの参事は誰の記憶からも消えるものではありませんが、時間の経過と共にその質は変わってきています。避難所に30万人もの人がいた段階から、その閉鎖が具体化される時期になりました。仮設住宅に多くの人が入居しました。全国から駆けつけたボランティアの多くも引き揚げました。そして、復興計画の策定や具体化が行われています。
 しかし、現状は緊急事態が一段落したということでしかありません。阪神・淡路大震災の傷痕の大きさは、簡単に癒すことはできないのです。仮設住宅は確かに第一次避難所よりはプライバシーが守られますが、性格としては第二次避難所にしか過ぎません。仮設住宅での自殺者の多発や死亡者の発見の遅れという悲惨な現実がそれを如実に物語っています。
 今後、仮設住宅居住者への生活支援、高齢者や障害者への支援、精神ケア等の課題に息長く取り組むことが必要となっています。そして、何よりもこうした相互の助け合いが地元の人々を中心に行われるようにボランティアの育成という課題もクローズアップされてきています。
 市民・連合ボランティアネットワークは、このような課題と取り組むために、幅広い市民と連合が連携をして新しい取り組みを開始しました。すでに現地では3つの事務所がフル回転して被災者の援助を行っています。
 この活動は、当事者を支援するだけでなく、ボランティアの発展、市民団体と労働組合の協力関係の発展、市民社会の形成等についても有効な役割を果たしていくことになるでしょう。一人ひとりの力と団体や労働組合が持つ知恵と力を合わせて新しい社会を創り出しましょう。
 皆様方のご参加ご支援をお願い致します。
[写真あり 省略]


現地事務所開設

[写真あり 西部事務所 ハートふる須磨 省略]

 4月18日に市民・連合ボランティアネットワークが発足してから約4カ月。この間、東京のセンター事務局では、市民・連合VN(ボランティアネットワーク)の事業内容を具体化するため、被災地神戸へ幾度となく赴き、被災者の現状やニーズの把握、現地事務所選定などを行っていました。
 神戸の街は地震発生の混乱期から脱したというもの、建物が倒壊してしまった神戸では、新たに市民・連合VNの現地事務所3カ所を探すのも相当の苦労を要しました。
 東部地域は、「東灘・地域助け合いネットワーク」が市民・連合VNの東部事務所として、即座に をあげてくれたものの、残りの西部・中部事務所の選定には非常に時間がかかりました
 そのような状況の中、社会福祉法人・全電通近畿社会福祉事業団特別養護老人ホーム「ハートふる須磨」から西部事務所提供という有り難いご承諾をいただき、「ハートふる須磨」のボランティア室をお借りして西部事務所を設置することができました。また幸運なことに、「ハートふる須磨」の真向かいに、駐車スペースが確保でき、これで市民・連合VNの事業計画にある「移送サービス事業」の実施準備が整いました。

 中部事務所は、神戸市社会福祉協議会からの提供で神戸市中央区に事務所を確保することができ、現在、8月21日の事務所開設準備にむけて事務機器やOA機材搬入に追われています。
 これからは、現地各事務所でのボランティア活動の活躍が期待されます。
[写真あり (東部事務所「東灘・地域助け合いネットワーク」) 省略]


●ごあいさつ 現地事務所からの自己紹介

東灘・地域助け合いネットワーク

 私たちは、地域のボランティアグループと全国的な市民活動団体(NPO)が連携して、阪神大震災・被災地の復興と新しい地域づくりを目指して活動するネットワークです。
 東灘地域の在宅被災者を中心にした以下の4つの事業を中心に活動します。
 高齢者の方は特に優先しますのでどうぞ気軽におたずねください。

1.暮らしのお手伝いをします

 今一番困っていらっしゃることは何でしょうか。生活関連の情報・買い物や申請の代行・荷物運び・部屋の整理(赤紙の建物は除きます)・外出付き添い・ちょっと力のいる仕事や話し相手など…。あなたが抱える問題について相談をお受けし、解決に出来るだけ協力をいたします。

2.茶話やかテント(移動集会所)

 仮設住宅周辺を中心に定期的に設営・運営します。
地域の方々が気軽に集まり、現在の気持ちや不安、これからの希望を語り合いましょう。

3.ホームビジット・ホームステイ先の紹介

 阪神地区や全国より、被災者の人々にお風呂・食事・宿泊の場を提供したいという温かい申し出があります。
日帰り・短期・長期・グループなどご希望の受け入れ先を紹介します。

4.東灘・かわら版の発行

 日々、刻々と変化する様々な情報の中から、必要且つ有用な情報をキャッチし、東灘地域のかわら版(情報誌)を発行します。

 

神戸西・助け合いネットワーク

 私たちは、地元のボランティアグルーブと連携して、阪神大震災・被災地の復興と新しい地域づくりを目指して活動するネットワークです。
 在宅被災者を中心にした以下の4つの事業を中心に活動します。
 高齢者の方は特に優先しますのでどうぞお気軽におたずねください。

1.暮らしのお手伝いをします

2.茶話やかパラソル(移動ミニ集会所)

3.送迎サービス

4.ボランティア研修


<現地事務所 所在一覧>

センター事務局

代表: 田中 尚輝
住所: 〒101 東京都千代田区神田駿河台3-2-11 総評会館3階
TEL: 03-5294-2489
FAX: 03-5294-2486
口座: 第一勧業銀行 麻布支店 047-1842796 (名義)市民・連合ボランティアネットワーク
事務担当: 坂井 大介、萩原 美紀、増本 泰幸、島谷 真広

東部事務所「東灘・地域助け合いネットワーク」

代表: 中村 順子
住所: 〒658 神戸市東灘区住吉東町2丁目3-28 東灘区役所気付 中庭仮設事務所
TEL/FAX: 078-843-9442
口座: さくら銀行 住吉支店 307-3526358(名義)東部事務所
責任者: 中村 順子
コーディネーター: 殿本 弘
事務担当: 滝沢 めぐみ

西部事務所「神戸西・助け合いネットワーク」

住所: 〒654 神戸市須磨区松風町4丁目2-26 ハートふる須磨内
TEL: 078-737-0596
FAX: 078-737-0598
口座: さくら銀行 住吉支店 307-3530469(名義)神戸西・助け合いネットワーク
責任者代行: 高橋 度、中村 順子
コーディネーター: (さわやかより派遣)
事務担当: 井上 正広、中山 恵子

中部事務所「神戸中央・助け合いネットワーク」

住所: 〒650 神戸市中央区中山手通4丁目17-34
TEL: 078-271-0517
FAX: 078-271-0518
口座: さくら銀行 住吉支店 307-3530442(名義)神戸中央・助け合いネットワーク
責任者: 高橋 度
事務担当: 青木 健、島 京子

<8月20日(日)神戸復興激励イベント西神中央公園にて 開催>

 「神戸復興激励イベント」は、神戸市民特に仮設住宅入居者への励ましを目的に、約2,000個の夢灯り(キャンドルスタンド)を点灯し、やすらぎとロマンのひとときを神戸の人々に提供する。また、中国笛の名手であり、震災直後に在日中国人のためのチャリティー・コンサートを開催してきた「王 名君」の激励コンサートを行う。

■実施日程

午後5時半〜 『王 名君』黄昏コンサート
午後7時〜 オープニングセレモニー・点火

○共催団体

◆「岩手夢灯り協議会」
夢灯り行事の開催を通じ、県民のふれあいを推進することを目的に、平成4年に岩手県盛岡市で結成した団体。法人会員47名、個人会員700名。
盛岡におけるイベントには、盛岡市、盛岡市教育委員会、盛岡観光協会、盛岡商工会議所、マスコミなどが後援・協賛団体として協力。

◆「市民・連合ボランティアネットワーク」
阪神・淡路大震災のボランティア活動を進めてきた下記の三団体が、今後さらに継続的なボランティア活動を展開するために結成したネットワークであり、現在、仮設住宅入居者に対する生活支援活動を進めている。


 今回の震災被害に対し心からお見舞いを申し上げます。一日も早く復旧なさることをお祈りしております。
 この度下記のように 岩手県から夢灯り約2,000個を持参して その灯りの洪水と中国の笛の響きを楽しんで頂く催しを行います。お暑い中でありますが 夕涼みを兼ねて多数お出で頂きますようご案内します。
きっとご満足なさるものと思います。

1 期日
2 場所
3 内容
8月20日(日)午後5時半頃より 9時過ぎまで
西神ニュータウン 西神中央公園内(中心の池付近)
約2,000個の《夢灯り》の灯と 中国の笛のコンサート

〈夢灯り〉夢灯りとは市民一人一人の手作りの夢灯り(キャンドルスタンド)を持ち寄って点灯しお互いの夢を語り合うロマン溢れる催しで 岩手県各地で行われています。
私達は「心の灯りを集めよう」をテーマとし一切の主義主張を排した素朴な集まりです。
今回は県内各地から夢灯りが参加します。灯りの洪水は見る人の心を和ませ限りなく優しくします。

〈笛の演奏〉王名君さん。中国を代表する笛の名手で 中国を代表して世界各地で演奏活動を行っており 現在日本に滞在中です。
今回の震災でも在日中国人等のためにいち早く援助コンサートを実施しており、今回もボランティア参加です。

4 点灯 この夢灯りはお出でになった皆さんで点灯して頂きます。
これで岩手の人達と皆さんの間で心のつながりが出来るものと考えています。

 

主催
岩手夢灯り協議会
市民・連合ボランティアネットワーク(現地組織)
協賛 岩手県内各夢灯り組織及び有志
阪神大震災、岩手大学有志の会
後援 岩手県、盛岡市、盛岡商工会議所、県内マスコミ各社


JNAP「あげます・ください列島リレー」報告

JNAP「あげます・ください列島リレー」東京オフィス報告

吉田 司

 JNAP(ジェーナップ:援助計画のための日本ネットワーク)では、「あげます・ください列島リレー」(阪神・淡路大震災で家財を失われた被災者の方々に、生活を再建するにあたって必要な生活用品を全国の家庭から送る、という支援プロジェクト)を1995年5月10日より7月28日まで行いました。告知活動は、主としてチラシ配布という形で行い、推計130万枚を配布しました。最終的な集計はまだ出ていませんが、7/10現在の数字では2,533件の応募があり、うち「ください」(被災者側)は1,241件、「あげます」(支援者側)は1,292件で、応募品目合計数(推計)では(1件の応募で複数品目の申し込みが可能)、「ください」12,813に対して「あげます」7,416という結果でした。また「あげます」ではタオル等特定の物品に応募が集中し、品目別のマッチング(需要・供給の組み合わせの成立)率は、決して高いものとはいえませんでした。
(■応募と回答結果 参照 *PDFをご覧ください)
 なお、今後「あげます・ください列島リレー」参加者(「あげます」側・「ください」側双方)にアンケート調査を実施し、最終的な集計と併せて総括する予定です。

 

JNAP「あげます・ください列島リレー」市民・連合VN報告

坂井大介

 5月から市民・連合VNが携わったJNAP「あげます・ください列島リレー」は、この度、7月末日をもって無事終了いたしました。
 このプロジェクトの期間中、市民・連合VNの事務所にJNAP東京オフィスを臨時開設し、全国に向けての告知活動を行ってきました。配布したチラシ総数は130万枚(推計)を上回り、「列島リレー」に参加してくださった方々の応募総数は2,716件でした。
 この紙面をお借りして、プロジェクトに参加してくださった皆様に心より感謝いたします。そして、大阪のJNAP事務局・JNAPプロジェクトのみなさまお疲れさまでした。

[写真あり (JNAP打ち上げ風景) 省略]


広告欄

 阪神・淡路大震災発生から、はや半年が経過しました。皆さんのご記憶の中では、あの鮮烈な地震の被害・映像が日毎に薄れつつあるのではないでしょうか。「天災は忘れた頃にやって来る」寺田寅彦の言葉にあるように、自然災害は未然に予期したり防ぐことは出来ません。『防災』とは自然災害を防ぐことではなく、自然災害に伴う二次・三次的人災を防ぐことです。常日頃から市民が防災意識を持つことで尊い人命がすくわれるのです。
 長寿社会文化協会から防災ハンドブック「備えあれば憂いなし」が出版されています。自然災害に対する日常の心構え、災害時の人と人との連帯、ボランティアを軸とした市民社会構築の提言などが盛り込まれています。
この防災ハンドブックに関するお問い合わせは
・・・長寿社会文化協会 06-941-5448
防災ハンドブック「備えあれば憂いなし」
定価900円(内200円は阪神大震災のボランティア支援金)

[写真あり 省略]

 

編集後記

初めての編集を終えて
 今回VNN(ボランティアネットワークニュース)を無事創刊することが出来ました。読者の皆様はどのような感想を持たれたのでしょうか?些細なことでも構いませんので皆様のご意見を是非編集部までお寄せください。
 今回の創刊号の発行にあたっては、編集の仕事初体験の素人が何もないところから始めたのでいろいろと苦労しました。何しろ事務所に機材が導入されたのが8月10日、その上機材の使い方を勉強しながら作業をしなければならず失敗することもたびたびでした。それでもスタッフ一同、VNN創刊にむけて全力で取り組んだつもりです。刷り上がった創刊号を見て感慨もひとしおです。しかし、まだまだ向上の余地をたくさん残しているようです。
 自分たちでも、もっともっと勉強を重ねていくつもりですが、皆様の意見を取り入れていくことが出来れば更に良いものが出来るはずだと考えています。VNNでは皆様とのつながり、ネットワークを大切にしながらより良い紙面を目指していきますので今後の紙面にご期待ください。

[付属資料(JNAP[あげます・ください列島リレー]プロジェクト応募と回答結果)あり 省略]


(c) 1995市民・連合ボランティアネットワークセンター事務局 (デジタル化:神戸大学附属図書館)
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