NGO外国人救援ネット・ニュース, No.9

NGO神戸外国人救援ネット, 2000.4.15
請求記号:震災-6-z33. - 12p

*震災関連記事のみテキスト化しています

◆巻頭言◆

NGO神戸外国人救援ネット副代表
もりき かずみ

 21世紀に向けて時代が大きく変わろうとしています。4月1日からすべての外国人に対して指紋押捺が廃止され、国会では外国籍住民の地方参政権法案が不十分ながら出されています。いずれも長い運動の結果です。そして今、外国人受入れ枠が大幅に拡大されようとしています。この入管行政の大転換を促したのは、在留特別許可を求める21人の熱い思い、「日本へのラブコール」でした。外国人からの「ラブコール」は兵庫県龍野市在住のペルー人一家からも寄せられています。これに応えて、私たち外国人救援ネットは全面的に協力し、なんとか在留特別許可を獲得したいと考えています。
 日本の入国管理法のもとでは超過滞在となり、正規の在留資格を得ていない外国人が、現在約27万人(未出国者)いるといわれています。日本の外国人の約15%に当たります。この中には超過滞在の親から日本で生まれた子供たちは、数に入っていません。どこにも登録されていないからです。法務省は、今回の在留特別許可申請に対して、12歳以上の子どもを持つ家族に在留資格を与えましたが、ミャンマー(ビルマ)人夫婦と二歳になる日本生まれの子ども、そして単身者に対して不許可を出しました。日本の学校に通う子どもたちが強制退去させられても帰国後の適応は難しいという運動側の主張が入れられたようです。不許可になった人たちは裁判で争うことになっています。
 今回の法務省の決断は、今後の流れを変えていきます。日本人や永住者の外国人家族だけに与えられていた在留特別許可が、長期滞在による地縁で日本と結ばれた外国人にも与えられたのです。「日本は外国人といっしょにやっていける」という住民の声が届いて、今回の法務大臣の裁量がなされたものだと思います。3月12日には姫路と太子町で、「龍野のペルー人一家の日本での暮らしを認めて下さい!」というミニシンポジウムを「ひめじ発世界」が主催しました。「日本に住みたい」というペルー人Mさん夫婦と子どもからのメッセージは、当人が働いている職場の仲間や雇用者、幼稚園、小学校、地域の人々に伝わり、「日本に住まわせたい」という住民の「声」になっていきました。この新しい流れを確実なものにするために、もっともっと住民の「声」を集めたいと思っています。


阪神大震災「自立支援金」と外国人

―ネットが兵庫県と相談をし外国語版案内書の作成へ―

 阪神淡路大震災で住居が全壊・半壊した人々に「被災者自立支援金」が支給されている。いくつかの条件があるが、一世帯あたり37.5〜150万円の支援金が支払われるのである。当然外国人もその対象に含まれる。支援金の情報を入手して申請を行なった外国人も多いが、その情報を知らずに申請をしていない外国人がいるのではないかということが危惧されていた。昨年7月、外国人救援ネットにホットラインに相談のあったブラジル人が数名で来られた。ネットの相談員と話をしていると、その時の相談内容とは別の自立支援金の話題になった。ひとりのブラジル人は支援金を受け取ったというが、その他のブラジル人はそのこと自体を知らないというのである。もちろんそのブラジル人には手続きを説明し、後日申請することができたが......。
 救援ネットでは、運営委員会ですぐこのことがとり上げられた。行政が外国人に対して充分な情報提供を行なっているかを調査したが、外国人のための特別な広報は行なわれていないことが判明。申請期限(2000年4月28日)も迫ってきたので、兵庫県に複数の言語で自立支援金に関する案内を作ってもらうようにという交渉を行なった。ネットがそのための作業をしてもいいということも含めてである。
 兵庫県は、私たちの要望を受け入れ、独自に作成し外国人登録窓口等で配布するとともに、NGO等にも配布を依頼するということになった。昨年12月にできたその案内が別掲のものである。
 震災を契機に生まれた外国人救援ネットが、ホットラインに端を発して、5年前の震災のことを思いおこさせてくれた「被災者自立支援金」に関する取り組みであった。
(飛田)


(c)2000地元NGO救援連絡会議外国人救援ネット (デジタル化:神戸大学附属図書館)
目次画面へ戻る