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https://doi.org/10.24546/81001262
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81001262 (fulltext)
pdf
1.08 MB
27
メタデータ
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メタデータID
81001262
アクセス権
open access
出版タイプ
Version of Record
タイトル
未完の論争 : ハバーマス=ルーマン論争とモダニティ
ミカン ノ ロンソウ ハバーマス ルーマン ロンソウ ト モダニティ
その他のタイトル
Modernity and the Habermas-Luhmann Dispute
著者
著者名
三上, 剛史
Mikami, Takeshi
ミカミ, タケシ
所属機関名
神戸大学国際文化学部
収録物名
国際文化学研究 : 神戸大学国際文化学部紀要
巻(号)
19
ページ
45-73
出版者
神戸大学国際文化学部
刊行日
2003-03
公開日
2009-09-25
抄録
本稿の目的は「ハバーマス=ルーマン論争」が社会学史において占める位置を確認し,近代社会学の成り立ちと変遷ならびにその行方についての予備的考察を,いわばハバーマス=ルーマン論争に託す形で行おうとするものである。これはハバーマスとルーマンについての比較研究ではない。そうではなく,ハバーマスとルーマンのように語ることがどのような社会学的意味を持っているかを問うことである。〈ハバーマス「と」ルーマン〉という形で対照的に論じられることにどのような学説史的意義があるのかを問おうとするものである。これまでの「論争」研究の多くは,結局のところハバーマスかルーマンかのいずれか一方の立場に立って他方を批判するという従属的研究でしかない。そのような姿勢は,大なり小なりハバーマスやルーマンの追随者かもしくは批判者になることである。しかしそれは極めて一面的であり,また学史的展望に欠けるものでもある。ここでしようとしているのはハバーマスとルーマンのいずれかを支持することでなはないし,ハバーマス=ルーマン論争を解決することでも,また超えることでもない。両者の判定をし,彼らと同じ土俵の上で新しい理論を提示することが目的なのではなく,両者を含めた社会学の諸理論形成を学史的に再構成することが本稿の目指すところである。ハバーマス,ルーマン共に「論争」後は独自の路線にそって理論的展開を進めており,どちらかというと「論争」は両者の相違点を際立たせるための一契機としての役割を割り振られてしまっている。そのせいもあって,この論争自体を巨視的観点から分かり易く総括した研究はほとんどないと言ってよい。筆者自身もハバーマス・ルーマン・ポストモダニズムという三角形を念頭に置いた上で,ハバーマス,ルーマン,ポスト構造主義の通底項に言及してきたが(三上,1993,2000など),「論争」それ自体の中身をそのような観点から整理するという仕事は怠っていた。既に多くの論者によって言及された議論であるが,ルーマンが他界しハバーマスもまた完成期を迎えた今の段階で,19世紀から20世紀にかけての社会学の存立基盤となっていた土壌を再確認し,今後の社会学の新たなステップを構想するためにも,ここでの作業は重要な一里塚となるはずである。論争の成り行きをやや詳しく検討する中で,われわれは「主体」「人間」「意味」「合理性」「構造」などの,近代社会学にとって前提となっていた諸概念が変容あるいは廃棄され,社会学的構想が被らざるを得ない理論的転換を確認することができるであろう。それは「論争」およびそれに続く両者の研究位相において,ハバーマスとルーマンが,「意味」と「主体」を巡るウェーバー的問題領域をどのように乗り越えようとしたかを示すことでもある。そしてそのことはまた,「ハバーマス=ルーマン論争」と呼ばれているものの学史的意味を,ドイッ社会学におけるポスト構造主義的離陸として捉えることでもある。どちらかと言うと哲学的で,社会学にとっては項末的議論に終始したという印象が強いこの論争は,近代社会学の前提がゆっくりと崩れ落ちてゆくプロセスの一つでもあった。近代諸科学の前提が,フランスのポスト構造主義のような思想の言葉によってではなく,社会学の言葉によって問い直され,社会学的構想の新局面が息づく場として,この論争を辿っておくことの意義は大きい。
カテゴリ
国際文化学研究 : 神戸大学大学院国際文化学研究科紀要
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19号(2003-03)
紀要論文
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資源タイプ
departmental bulletin paper
言語
Japanese (日本語)
ISSN
1340-5217
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NCID
AN10436600
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関連情報
NAID
110000939054
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