81004268

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高齢者の携帯電話リマインダ機能操作方法の学習特性

The Property of Learning on Operation Procedure of Cell-Phone Reminder for Elderly People

神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要

6(1)

29-35

神戸大学大学院人間発達環境学研究科

2012-09

2012-10-22

「約束のど忘れ」，「薬の飲み忘れ」といった未来の予定に関する記憶のエラー（し忘れ）は，高齢者の社会生活や自立生活を考える上で重要な問題である。これまでの研究から，し忘れを防止する上で，記憶補助ツールが有効であることが指摘されている。本研究では，予定直前に予定があることを知らせる携帯電話のリマインダ機能を取り上げ，１）認知機能，２）携帯電話使用経験，３）リマインダ機能操作に対する自己効力感および携帯電話操作に対する抵抗感，とリマインダ機能操作の学習との関連性について検討を行った。実験は，健常高齢者43名に対して実施した。実験の結果，１）認知機能が低い高齢者ほど，リマインダ機能操作の学習に多くの時間を要し，操作の想起段階（直後再生・遅延再生）でもエラーが多い，２）携帯電話を所持している被験者は操作方法の再生成績が高く，携帯電話の使用経験が長いほど，学習に要する時間が短い，３）リマインダ機能操作に対する自己効力感や抵抗感は学習に要する時間と関連しているが，操作の想起とは関連がない，ことが明らかとなった。本研究の結果から，高齢者のリマインダ機能操作における認知機能への配慮の必要性，高齢者の情報機器に対する自己効力感を高め，抵抗感を軽減するような情報提供の機会の重要性が示された。

紀要論文