https://doi.org/10.24546/81006943
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抄録 |
企業経営において, 人材を確保, 活用するための人材マネジメント機能は, 人と企業の両方の視点をバランスさせた思考に基づいた考えが基盤となる(守島, 2004)。だが, 過去20年ほどは, わが国の人材マネジメントが経営視点を極めて強く打ち出した変革期であったといえる。本稿では, こうした変化を, 2 つの内部労働市場ルールの変化(評価・処遇に関する成果の重視, および長期的雇用慣行の衰退)としてとらえ, 2 つのルールの組み合わせが働く人にどういうインパクトを与えるかを分析することを通じて, 新たな内部労働市場の形(つまり, 人材マネジメントモデル)の頑健性(安定性)を検討した。結果として, 生まれつつある内部労働市場は3 つのパターンに分類ができた。 まず, 成果主義を採用せず, 長期雇用も維持している「伝統型」とでも呼べるパターンが, 全体(1,207社)のうち, 約41% (489社)と最も多かった。だが, 僅差で多いのが,「成果主義+長期雇用」のパターン(456社, 約38%)であり, 残りが「成果主義+雇用の外部化」パターン (262社, 約21%) だった。1994年のデータを用いた Morishima (1996a) と比較すると, 後半の2 つのタイプが増加し, 特に, 第 3 のパターンが 2 倍近くに(1994年は11%)増えていた。次に, 従業員側の反応を見ると,「成果主義+長期雇用」のパターンは,企業が望むような従業員側の変化をもたらす可能性は少なく, 影響があるとすれば,従業員が否定的な反応を示している可能性が示唆された。これに対して, 成果主義に移行して, さらに長期雇用を崩し始めている企業では, 企業が望むであろう意欲の高まりや, 働く人の企業からの自律がおこっている傾向が見られた。そのため,この結果を信用するとすれば, 現在大企業でドミナントな内部労働市場のパターン(成果主義+長期雇用)は, 長期的には均衡せず, 将来的には, 長期雇用が限定的になっていくことで安定していくのではないかと推論される。1994年からの第 3 パターンの大幅な増加はそれを示すのかもしれない。こうした発見事実は, 企業視点だけではなく, 人材への影響を考慮したときに得られるものであり, 人材マネジメントの変革は, 企業視点と人材視点を同時に考慮して行うことが重要であることがここからも示される。
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