81010560

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1947～1955ネン ニオケル ヤカン チュウガッコウ ト セイト ノ キホンテキ トクチョウ コウヘン

Basic Characteristics of Night Junior High Schools and their Students between 1947 and 1955 (Part 2)

神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要

12(1)

47-65

神戸大学大学院人間発達環境学研究科

2018-09-30

2018-10-23

本稿の課題は､ 1947～1955年の日本における夜間中学校とその生徒の基本的特徴を､ 各学校レベルに降りて把握することにある｡ 本稿でいう基本的特徴とは､ まず各学校の①名称､ ②所在地 (市町村)､ ③開設年月日､ ④1955年度以前に閉鎖された場合､その年月日と理由､ ⑤所在地域の特徴､ そして生徒の⑥入学者数､ ⑦在籍者数､ ⑧卒業者数､ ⑨性別､ ⑩年齢､ ⑪就労状況等を指す｡ なお､ こうした最も基本的な特徴さえ､ そのすべてが把握しうる学校はごく少数である｡ それは､ 本稿の対象時期が戦後の混乱期､ 新制中学校の萌芽期であったという一般的事情に因るだけではない｡ 当時､ 文部省や多くの地域の教育委員会は､ 夜間中学校が児童労働の容認・六三制の破壊につながるとみなし､ 開設を認めなかった｡ そこで少なからぬ夜間中学校が､ 不就学・長欠者の蔓延という現実への対処策として半ば非公式に開設・運営され､ 公式の記録も作成・保存しなかったのである｡ しかも1955年度以降､ 夜間中学校の閉鎖が相次ぎ､ 多くの史料が散逸した｡ 本稿では現時点で入手し得た史料に基づき､ 各学校とそこでの生徒の実態を可能な限り､ 把握する。

紀要論文