神戸大学附属図書館 社会科学系図書館壁画【青春】画稿 言葉

「壁画『青春』画稿」の言葉

画稿は「練想永輝」という揮毫と、

「ひとりの人間の力ははかないものだ。然し、積み上げられてゆく一人の力は洞門を築く。」

という印象的な言葉で始まり、続いて、壁画の基になったと思われるデッサンが連なっています。
以下に、デッサンに添えられた言葉のいくつかをご紹介します。

○練想永輝  (⇒参照画像1)

 題壁画青春画稿
 皇紀二千六百年十月三十日
 教育勅語渙發五十周年記念日
 於中山画伯画室
 修禅球学納

○壁画青春画稿  (⇒参照画像2)
 昭和八年於東京
 中山正實筆
 時 三十五才春

 ひとりの人間の力は
 はかないものだ 然し
 積み上げられてゆく一人の力は
 洞門を築く
 永遠に残すべき記念碑の
 一つづつの石をつみ上げよう

○「学究」  (⇒参照画像3)
 地上の学問にとらはれず
 天上の真理を忘れず

○描けども描けども限りなく美しい動きの魅力  (⇒参照画像4)

○樹肌の凹凸の作る小さな陰影にとらはれると大樹の表現が出来なくなる  (⇒参照画像5)

○仕事の中にも静かな思索の時間を加へやう  (⇒参照画像6)

○心に平静を失はず  (⇒参照画像7)
 最善をつくし得る仕事に打込め

 技法は腕に経験させよう
 技は一觸の浮薄も許さず

○六月八日  (⇒参照画像8)
 夕方から散歩に出かける
 陽は落ちて池上の森のあたり
 夕もやが深く立ちこめている
 眠りゆく馬込の谷々
 いまのわが生活の背景に
 いともふさはしきこの景色よ

 夜が来て
 画室の一隅に眠るよろこび
 さらば明日も亦
 美しき未知の世界を
 求めよう

 正實