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キョウトフ ホクブ ニオケル キョウドウ キョウイク ノ ジッセンテキ レキシテキ イギ カンケイ ケイセイ リカイ ニンシキ ノ ブンセキ ワクグミ オ モチイテ

Practical and Historical Significance of "Kyodo-Kyoiku (Cooperative Education)" in Northern Kyoto Prefecture : Using the Analytical Framework of the Term and Concept of 'Formation of Relations between People with and without Disabilities' and 'Understanding and Recognition for People with Disabilities'

神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要

15(1)

53-68

神戸大学大学院人間発達環境学研究科

2021-09-30

2021-10-27

本稿では、〈関係形成〉〈理解・認識〉の分析枠組みを用いて、京都府北部（舞鶴・与謝地域）における「共同教育」の実践的・歴史的意義を検討した。第1水準：総論レベルにおいて、「交流教育」「交流及び共同学習」では〈関係形成〉が〈理解・認識〉を牽引する単方向の矢印関係が一貫して示されたが、「共同教育」では双方向の矢印関係⇒萌芽的な螺旋構造⇒発展的な螺旋構造というプロセスが抽出された。第2水準：各論レベル（「障害」・学校教育階梯）において、「交流教育」「交流及び共同学習」では単方向の矢印関係以外の提示はなされていなかったが、「共同教育」の舞鶴地域の実践（1971-88）では視覚障害と聴覚障害の違いにも留意しつつ「9歳の壁」を挟む小学校低・中・高学年段階と中学校段階に及ぶ9カ年にわたり、与謝地域の実践（1972-88）では知的障害と肢体不自由の違いにも留意しつつ高校3ヵ年にわたり、〈関係形成〉と〈理解・認識〉の間（更に理解と認識の間）を行きつ戻りつする揺れ動きを組織し意識的に変容を促すという発展的な螺旋構造をなしていた。「共同教育」のこうした実践的特徴は、「交流教育」（1971-2007）から「交流及び共同学習」（2008-）への政策移行における〈関係形成〉〈理解・認識〉の内容と連関を問い直し発展させる上で示唆に富む歴史的遺産といえる。

実践的・歴史的意義

紀要論文