Index to Chromosome numbers in Asteraceae


データベースの説明

キク科植物は、被子植物(花の咲く植物)最大の科で、24,000〜30,000種が知られており、被子植物全体の1/8〜1/10を占める。地球の歴史の中で最も新しい植物群と考えられており、現在も活発に種分化(新しい種が誕生すること)がおきており、主要な穀物(小麦、イネ、トウモロコシ)に次ぐ多数の研究者が集中して研究している。 染色体数の情報は、生物の系統と進化を明らかにする上で極めて重要である。 報告されたデータは、膨大な量になっているので、必要な情報を速やかに検索・利用できるsystemが必要になってきている。
調査がすんだ全ての植物の科の染色体数のIndexは、Darlington & Wylie (1945, 1955), Fedrov (1969, 1974), Moore (1967-1971, 1973, 1974), Goldblatt et al. (1975-2003)等により、科名、属名、種名、染色体数、発表論文著者名、文献が記載され、2〜3年に1度、印刷され販売されてきた。 そのため、以前の情報は、継続的にこれらの文献を購入している機関(日本では、神戸大学と国立科学博物館だけが保有)を除き、かなり入手しにくくなっている。 そこで全国の関係者から問い合わせが私(渡邊) にあり、その度に過去のIndexをくって情報を提供してきた。
継続的にこれらの文献を購入していない発展途上国や後進国では、新しく調査して得られたdataが、すでに他の研究者により発表されていたり、以前に発表されたdataと食い違いがあるのにもかかわらず、何の検討もされず報告されるケースが増えてきた。 さらに、新しい分子系統学が発展したのに伴い、キク科の分類、系統関係の解明が著しくすすみ、亜科(Subfamily)、連(Tribe),属(Genus)、種(Species)、の改訂、修正、記入漏れ等が多くなり、過去のdataの見直し、再整理が必要になってきた。
このdatabaseにより、この研究分野の情報整理と問題点、絶滅前に早急に調査が必要な分類群や地域等を明確にして、集中的な研究の取り組みが可能になる。このdatabaseを公開することで、世界中の研究機関、大学、個人が、無料で情報の利用が可能になる。

データベースの内容

1900年より現在までのキク科 (Asteraceae) 、カリケラ科(Calyceraceae)、クサトベラ科(Goodeneaceae)、ミツガシワ科(Menyanthaceae)の植物名(学名、ラテン語)、染色体数、調査個体数、材料産地、発表論文著者名、発表年、論文名、掲載誌名、巻号、ページを収録したデータベース。 渡邊個人が20年以上かけ作成し、2000年から渡邊のサーバーで公開。 Asteraceae, chromosome numberの2語を入力してGoogleで検索すると1番目にでてくることから、多くのaccessがあり利用されているものと思われる。

 上記のように完全に関係本が残っているのは日本の中で2カ所だけであると思われ、私(渡邊) の退職によりサーバーが閉じられるので、このデータベースを図書館に移動し、今後も広く活用していただくことにした。

神戸大学大学院 理学研究科教授 渡邊邦秋 2008.03.13

★このデータベースの作成者である渡邊名誉教授が分担執筆したキクに関する図書が刊行されています。(自然科学系図書館に所蔵。請求記号:460-2-5)

Funk, V. A., Susanna, A., Stuessy, T. F. & Bayer, R. J.(eds.)
Systematics, Evolution, and Biogeography of Compositae. Vienna : International Association for Plant Taxonomy, ©2009. 965 p. ISBN: 978-3-9501754-3-1

先生のご執筆部分は: John C. Semple and Kuniaki Watanabe
Character evolution at the family level. A review of chromosome numbers in Asteraceae with hypotheses on chromosomal base number evolution (p.61-)

*この図書は、International Association for Plant Taxonomyより、2007-2009年の間に出版された植物分類・系統・進化に関する著作のなかで最も優れている著作にあたえられた Stebbins medal を受賞しました。詳細 → Taxon 59(5) p.1625


渡邊邦秋教授著作リスト(本文へのリンクあり) / Publication List of Kuniaki WATANABE