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石本雄真さんインタビュー2009.7.15 於・発達科学部キャンパス

2009年7月14日、Kernelの登録件数が1万件を突破しました。その記念に、昨夏以来ダウンロードランキングでほぼ首位を独走している論文の著者、石本雄真さんにインタビューしました。石本さんは現在、人間発達環境学研究科の博士課程3回生です。

公開の翌々月から常にダウンロード上位

図書館(以下「図」)まずはこちらの表をご覧いただきたいのですが、石本さんの論文「障害児をもつ母親の障害受容に関連する要因の検討」(人間発達環境学研究科研究紀要1(2)所収。太井裕子さんと共著) は公開開始の翌月以来、本文PDFのダウンロード回数が常に3位までにランクインしています。

石本・太井 (2008)のダウンロード数

順位

ダウンロード回数

備考

200807

19

86

公開開始

200808

2

194

 

200809

1

266

 

200810

1

379

 

200811

1

354

 

200812

1

270

 

200901

1

306

 

200902

1

222

 

200903

3

109

 

200904

1

186

 

200905

1

216

 

200906

1

260

 

計2,848

 

掲載された「人間発達環境学研究科研究紀要」自体、利用がたいへん多く、他大学から「次号のアップはまだか」と問い合わせがあるほどなのですが、その中でも飛び抜けた利用頻度で、1年間の本文ダウンロード数は合計2,848回にのぼっています。

石本さん(以下敬称略)実は2位に入った時からランキングを見てたんですよ。2位の時はちょっとくやしいので「来月は1位に」と思ってたんですが、こう1位がずっと続くと逆に居心地が悪いです。

図:どのような方に利用されていると思いますか?

石本:障害をもった子どもの親御さん方がご利用になったのかも知れませんが、他にあまり心当たりがありません。他の論文に引用されている風でもないです。ただ、ある大学の先生が授業内容のレジメにリンクを貼っているのを見たことはあります。

ご自身について

図:研究を始めたきっかけは何でしょうか。

石本:学部生のころからボランティア活動をしていました(注:論文の所属欄にある「発達障害児託児ボランティアグループすだち」。神戸~西宮近隣の大学生による団体)。子供たちや親御さんたちと直に接していく上で、自然に研究分野も決まって来た感じです。

図:ご所属の齊藤ゼミはどんな雰囲気ですか。

石本:人気が高くて、人数が多いゼミなんです。いつも賑やかですよ。

図:ゼミのホームページからも、活発な感じが伺えますよね。石本さんの最近のご所属を見ると、神戸大学の他に「適応教室」と記されていますが、それはどのような施設でしょうか。

石本:不登校の小中学生が通ってくるための、公的な支援施設です。伊丹市内にある一軒家を使っているのがちょっと変わっているんですが、そこで指導員をしています。勉強も教えますが、主にゲームなどを通じて集団行動に適応するための力をつけることをお手伝いします。

図:共著の太井裕子さんについてご紹介下さい。

石本:発達科学部の卒業生で、ボランティアサークルのメンバーでした。この論文は太井さんが提出した卒業論文のデータを使用したものです。

リポジトリについて

図:ご執筆の論文がリポジトリで公開されたことによって、質問・感想など直接の反応があったでしょうか。

石本:論文中で使用している尺度についての質問が、他大学の学生さんから来た事がありました。

図:Kernelに限らず、リポジトリに登録されている論文をご利用になったことはありますか。あれば感想やご要望をお聞かせ下さい。

石本:他大学のリポジトリもよく使いますよ。もちろん自分の専門分野が中心で、紀要が多いです。図書館に行かなくてすみますので、論文を探す時はまずリポジトリに登録されていないか確認します。

今後について

図:今年発行の紀要に掲載の論文「心の居場所と大学生のアパシー傾向との関連 」(人間発達環境学研究科研究紀要2(2)所収)も6月(リポジトリ登録の翌月)のダウンロード数が2位になっています。また「居場所感に関連する大学生の生活の一側面」 (同2(1)所収)もランクに入っています。今後の研究についてご予定や抱負などありましたらお聞かせ下さい。

石本:居場所感ということでは、メインの研究対象を中高生にしていくつもりです。特に高校は義務教育でないため、行政的には不登校と扱わないことになっており、実態がはっきりしていません。しかし高校の先生方との会話からも、希望校に入れないなどのミスマッチが大きな問題となっていることが分かっています。

図:もうすぐ博士論文も提出されますよね。今後の論文も、ぜひKernelに登録お願いします!

後記

石本さんはとても優しそうな目が印象的な方で、きっと施設でも小中学生に人気のお兄さんなのではないかと想像しました。ご自身の実体験・活動にもとづいた研究をされているので、研究内容の現場への還元も期待されます。これからも石本さんの研究に注目していきたいと思っております。お忙しい中、貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。(文責:附属図書館電子図書館係 中山)