一五二 (寛永五年)九月十一日 徳川秀忠黒印状

 「今度の大坂(城)の普請では、万事にわたり念入りに実施してくれたので早速完成した。大変喜ばしい」という内容の、大御所徳川秀忠が中川久盛に与えた黒印状。元和六年(一六二〇)に始まった徳川幕府による大坂城再建工事が、その第三期となる寛永五年(一六二八)の外堀南面の築造によりすべて完了した際に出されたものと推定される。この時、久盛は西寄りの一角を担当した。
 なお、「大徳院殿御実記」寛永五年の、本状の日付に同じ九月一一日の記事に、豊後小倉藩主細川忠利が「大坂城助役速成の功を褒」す御内書を給わったと見えることからも、本状とほぼ同じ内容の黒印状が普請に参加した大名全員に発行されたと思われる。



解題作成:神戸大学文学部日本史研究室(デジタル化:神戸大学附属図書館)