神戸大学附属図書館 デジタルアーカイブ 【 新聞記事文庫 】

デジタル版新聞記事文庫について

2000.6.30 神戸大学附属図書館
 「デジタル版新聞記事文庫」は、神戸大学経済経営研究所の「新聞記事文庫」のデジタル版です。

神戸大学電子図書館システムと新聞記事文庫

 神戸大学附属図書館では、新たな予算措置をうけて1999年より「神戸大学電子図書館システム」の運用を開始しました。
 本システムの中心は、神戸大学の特色ある資料をデジタル化して広く全国・世界に情報発信する「電子アーカイブ」構想にありますが、この「特色ある資料」としては2つの柱をたててスタートしました。

  • 阪神・淡路大震災関係資料
  • 経済・経営関係資料

 このうち、前者は「震災文庫」として当初からまとまった情報発信をつづけてきました。
 後者の「経済・経営関係資料」は、神戸高等商業学校・神戸商業大学を前身に持つ本学の特色を生かして設けられたものですが、コンテンツ選定作業の過程で具体的にあがってきたのが「住田文庫(海事関係史料)」と「新聞記事文庫」でした。

 「新聞記事文庫とは?」のページでご紹介しているように、神戸大学経済経営研究所が60年余りにわたって営々と構築してきた「新聞記事文庫」は、類例のない貴重な資料です。附属図書館では研究所の理解と協力を得て1999年度からデジタル化に取り組み、2000年6月30日より一般公開の運びとなりました。

デジタル化対象とその方法

 新聞記事文庫の切抜事業は明治末から昭和45(1970)年まで切抜帳約3200冊になりますが、そのうち明治末~昭和18年のもの約2500冊が同じ仕様で合冊製本・配架されています。そのため、デジタル版事業ではこの年代のものを当面の対象とすることにしました。
 作業効率と原資料保存を考えて、デジタル化作業(スキャニング)は昭和40年代に作成されたマイクロフィルムから実施しています。マイクロフィルムでも約500巻弱、およそ55万コマという膨大な量が対象です(連載記事など長い記事は複数コマにわたるので、記事数では推定38万件となります)。
 このような分量が一気に片付くはずはなく、年次的に少しづつ構築していくこととなります。新聞記事文庫は主題別に分類されて(→分類表)いるので、記事分類単位で順次入力を進めます。その入力順序については、学内教官によるプロジェクトで検討を重ね、「工業及び鉱業」からスタートすることとなりました。


 今回のデジタル版事業にあたっては、マイクロフィルムから記事画像を作成して公開することはもちろん、記事全文をテキストデータとしてデータベースに搭載することをめざしています。画像作成にくらべるとテキスト化は手間もコストもかかりますが、全文検索が可能になり、また引用などの再利用が容易であるなどの利点があります。
 作業上の制約のため、画像だけを先に公開して後からテキストを搭載する形になる部分も出てきますが、最終的にはすべての記事に画像・テキスト両データを作成することを考えています。


 なお、電子図書館事業では常に著作権の問題を考えなくてはなりません。
 デジタル版事業の対象である新聞記事は昭和18年までのものなので、法人著作の保護期間「公表後50年」は経過しており、新聞社の著作権はクリアされていると考えています。
 ただし、署名記事については新聞社ではなく著者自身に著作権があるのが普通で、この場合は「死後50年」が保護期間のため、まだ権利期間中の可能性があります。そこで署名記事で保護期間中のものは当面見出し検索のみの提供にとどめ、著作権上の適切な処理が完了したものから順次公開する予定としています。

今後に向けて

 今回開設にあたって、約30000コマ(22000記事)を提供しました。絶対数としては相当の分量だと思いますが、対象全体からみると1割にも達していません。「工業及び鉱業」だけでも2年がかりという大変息の長い計画となります。
 大正・昭和前期という時代を研究するための学術基礎資料として、また遠くなりつつある時代の記録・記憶を後世に伝えるものとして、たゆまず構築作業を続けていきたいと考えております。